現場スタッフが1人しかいないなか、アパレル企業クロスプラスが店舗の付加価値を高めた方法

染谷 剛史 (HataLuck and Person代表取締役)
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売場づくりやセールストークを店舗間で共有

 従来、クロスプラスの販売スタッフは、本部から配信された重点商品のコーディネート例を確認し、店頭ディスプレイを設置しており、陳列の修正や確認は月12回のSVの巡回を待つのが通例でした。

 しかし、デジタルツール導入後は、各販売スタッフが自分の店舗のコーディネートや売場の画像をエリア全体に共有し、その画像に対してSVがよい点と改善点をフィードバックできるようになりました。これにより、評価基準や修正点が日々共有・蓄積され、各店舗における行動改善のPDCAサイクルも高速化されました。

リアル店舗の価値向上にはノウハウの共有が有効だ(写真はイメージ)
リアル店舗の価値向上にはノウハウの共有が有効だ(写真はイメージ)

 また、SVと販売スタッフの連携強化だけではなく、エリア内の販売スタッフ同士による横の繋がりも生み出されていきました。優良店舗のコーディネートを参考に売場づくりを実施した別の店舗も売上がアップしたのです。

 売場画像だけではなく、お客さまにお買い上げいただいた際のセールストークも共有することで、一人ひとりの接客の幅も広がりました。販売スキルを可視化することで、個々人のノウハウをひとつの店舗で埋もれさせることなく会社全体の財産として共有することができるようになったのです。

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記事執筆者

染谷 剛史 / HataLuck and Person代表取締役
1976年、茨城県生まれ。大学卒業後リクルートグループに入社。アルバイト・パートの求人広告営業を経て、営業企画・商品開発を担当。2003年、株式会社リンクアンドモチベーションに入社し、サービス業の採用・組織コンサルティングに従事。2012年に同社の執行役員に就任し、新規事業開発やカンパニー長を歴任した後、2017年にナレッジ・マーチャントワークス(現HataLuck and Person)を設立。

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