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単なる広告にあらず、リテールメディアの本質とどう向き合うべきかを徹底解説!

リテールメディアバナー

小売企業の新たな収益柱として、にわかに注目を集めるようになった「リテールメディア」。アマゾンやウォルマート(Walmart)の成功を横目に、国内でもさまざまなプレイヤーが参入し、リテールメディア市場は混戦の様相となっている。国内リテールメディア市場は今後どのような動きを見せるのか。早くからリテールメディアに取り組んできた、サイバーエージェント(東京都/藤田晋代表)の事業責任者に見通してもらった。

「購買前から購買後までをサポートする仕組み」

 インターネットやスマートフォンの普及に伴って、消費者の購買行動は大きく変化している。スマートフォンの接触時間がテレビよりも長くなり、テレビCMよりもSNSで新しい商品を発見したり、ユーザーの口コミを参考にして商品の特徴や価格を比較するようになってきた。また、来店前にスマホアプリで特売情報や割引クーポンをチェックしたり、店舗でスマホアプリを使ってキャッシュレス決済をしたり、購入後に商品の活用法やレシピをSNSやスマホアプリで調べたりする習慣も広がっている。

左・サイバーエージェントDX本部統括の藤田和司氏
右・サイバーエージェントインターネット広告事業本部販促革命センター統括の高橋篤氏

 サイバーエージェントでは、小売チェーンの販促活動を支援する専門組織を立ち上げ、2016年頃からリテールメディアの領域に取り組んできた。サイバーエージェントDX本部統括の藤田和司氏は、リテールメディアを「消費者に寄り添い、購買前から購買後までをサポートする仕組み」と定義する。消費者の買物体験を妨げることなく、メーカーが伝えたい情報を発信する手段として販促や広告を展開し、購買を促すというものだ。

 ECが先行する米国では、アマゾンやウォルマート(Walmart)、ターゲット(Target)らが自社のECサイトで検索連動型広告を掲載し、リテールメディア部門の売上高を大きく伸長させている。

 一方、日本の小売業は依然としてリアル店舗が中心であり、ECを積極展開している企業はごく一部だ。また、ネットスーパーは、日本でもコロナ禍を機に広がりつつあるものの、ユーザー数はまだ少なく、十分なメディア価値を確立するまでに至っていない。

 このような背景を踏まえ、

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