クレーンゲームのアドバイスにもDX? ゲームセンターGiGOの店舗改革

染谷 剛史 (HataLuck and Person代表取締役)
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店舗サービス業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の在り方とこれからの店舗の在り方を店舗運営の業務効率化や従業員の体験価値向上の観点から考える連載「リアル店舗のDX革命」。今回は、ゲームセンターなどのアミューズメント施設を運営するGENDA GiGO Entertainment(東京都/上野聖社長:以下、GiGO)の取り組みをご紹介します。

GiGO池袋1号館
GiGO池袋1号館

従業員への情報共有をデジタルで

 メダルゲームや音ゲーなど従来のアーケードゲームだけでなく、近年はVR(仮想現実)を活用して体を動かすアクティビティ系のゲームなど、「IT xエンターテイメント」の掛け合わせで新たな領域にも踏み込んでいるアミューズメント施設。メダルゲームを楽しむ高齢者、クレーンゲームに挑戦する家族連れ、VRアクティビティに熱中する若いグループなど、店舗には「体験」を楽しむ幅広い客層が訪れます。

 GiGOは全国250店舗弱のアミューズメント施設を運営するほか、飲食店施設の企画・運営、遊戯施設のレンタル事業を展開する企業です。GiGOはバラエティ豊かなゲーム機器の安定的な稼働だけでなく、キャンペーンによる集客強化、付随する多様なタスクに関する情報共有の精度を高め、店舗内における各施策の実行力を高めることに注力してきました。

 しかし、本社が施策を店舗に共有しても、店舗運営の主たるメンバーであるシフトワーカー(パート・アルバイト)に行き届かなければ、施策は実行不全に終わり、来店したお客さまに満足いく感動体験を提供することはできません。

 過去には、店内における情報共有の主たる手段が紙の大学ノートなどアナログな方法だったため、店舗内の情報共有の実態が見えず、そのプロセスも把握できていませんでした。そのため、本社は改善の必要性やその打ち手も検討できない状況でした。こういった課題を解決するためにGiGOが取り組んだのが、情報共有やコミュニケーションを円滑にするデジタルツールをシフトワーカー1人ひとりに提供することです。

 デジタルツールの導入は、導入を決定した本社だけでなく、シフトワーカーが働く店舗にも大きなメリットを生み出しました。それは情報共有のクオリティ向上とスピードアップによる、店舗における迅速な問題解決が可能になったことです。

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記事執筆者

染谷 剛史 / HataLuck and Person代表取締役
1976年、茨城県生まれ。大学卒業後リクルートグループに入社。アルバイト・パートの求人広告営業を経て、営業企画・商品開発を担当。2003年、株式会社リンクアンドモチベーションに入社し、サービス業の採用・組織コンサルティングに従事。2012年に同社の執行役員に就任し、新規事業開発やカンパニー長を歴任した後、2017年にナレッジ・マーチャントワークス(現HataLuck and Person)を設立。
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