モバイル空間統計が変える小売業における売上最大化・コスト最小化するための集中と選択の支援

文=:野澤正毅
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データ分析をもとに
意思決定する業務プロセスとは?

 POSデータ、入館センサー、カメラといった技術の発展により、以前よりも容易、かつ精度高く店舗内情報を収集できるようになってきている。

 小売業界ではPOSデータをもとに購買者数(≒来店者数)や売上を把握し、入館センサーやカメラなどで来店者数(≠購買者数)も把握できる。そのデータを基に「店内回遊者に対するアプローチで、結果単価が上がるか、買っていなかった人を購買につなげる」といったアクション検討も行える。

 「店内回遊者へのアクションも売上拡大の重要な要素の1つであるが、店内の限定的なパイへのアプローチを意味する。一方、店舗周辺人口に目を向けると、人数の桁が変わる。店舗付近に来ている潜在顧客をいかに店内に呼び込めるかで売上の拡張性がまるで違う」と星合氏は語る。

 このようにどこに売上を増やすポテンシャルがあるかを示したのが図2にあたる。店舗が持つ店内回遊者・購入者の規模と、モバイル空間統計でわかる店舗周辺人口(≒潜在顧客数)を対比させることで、どの階層に売上のポテンシャルがあるかを可視化できる。
たとえば、チェーン店の本部からみると、自社の複数ある店舗の中でも「どの店舗に施策を実行する価値があるか」を判断する指標として活用できる。

図2
図2 適正な売上ポテンシャルとは

 さらに、1店舗に注目したアクション検討も可能だ。例えば、店舗周辺の潜在顧客が多いにもかかわらず、来店率が他店より低いといった内容を数値で把握できる。このデータ分析結果により、「店舗の来店率を上げるための施策が必要」といったどんな施策を打ったらよいかが明らかになる。さらに実行施策がうまくいった際の売上増加へのインパクトも試算できるため、改善効率が大きい店舗から順に着手が可能となる。

 「店舗内情報とモバイル空間統計を組み合わせたご活用をする小売企業様は、『どの店舗に』『どのような施策を』実施すべきかを定量化された指標で判断されており、ここに価値を見出していただいている」と星合氏はいう。

 加えて、モバイル空間統計では施策実施後にどれだけ人口変動が起きたかといった効果測定を行うことができるため、実行施策のブラッシュアップするための材料としても活用できる。

 モバイル空間統計で店舗周辺人口を知り、自店舗の状況と照らして深く分析することで、限られた経営資源の最適な分配ができ、「売上の最大化」と「コストの最小化」の支援を実現する。

(※モバイル空間統計はNTTドコモの登録商標です。モバイル空間統計は、プライバシーを保護するため、運用データに、非識別化処理、集計処理、秘匿処理を行うことにより作成します。集団の人数のみを表す人口統計情報であるため、モバイル空間統計からお客さま個人を特定することはできません。)

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