ナイキ、アディダス、三越伊勢丹がすでに参入!メタバースは小売業をどう変えるか?
人が集まることで「消費」が生まれる!
では、メタバースは何をする、何ができる空間なのか。
例として取り上げたサービスはいずれもオンラインゲームであり、各ユーザーは当然、ゲームをプレーするためにそれぞれのプラットフォームに集まっている。重要なのは、この「多くの人が集まっている」という点だ。人が集まることでコミュニケーションが生まれ、その次の段階として「消費」が生まれるのである。
「フォートナイト」の例で見てみよう。フォートナイトは1つのステージ(空間)に最大100人が集まり、生き残りをめざして対戦するゲームである。注目すべきは、フォートナイトのユーザーの多くが、ゲーム内で自身を強くするための「武器」ではなく、「スキン(アバターに着せる服やアクセサリーなど、アバター自体の見た目を変更するもの)」を購入しているという点だ。スキンはゲームの“強さ”には関係せず、リアル世界の衣服と同じように「着飾る」ことを楽しむものとなっている。
なぜ、ユーザーはお金を払って「アバターの服」を購入するのか。若者の消費動向に詳しい博報堂若者研究所の瀧﨑絵里香氏は、「仮想空間上でコミュニケーションが発生し、『他者から見られる』という要素が生まれることで消費につながっていく」と指摘する。フォートナイトは“リアルのどこよりも服を売っている場”と一部ではいわれており、マーケットの大きさが窺い知れる。
22年現在、メタバースの主役はオンラインゲームプラットフォームとなっているが、米国では「VRChat」をはじめとした、「仮想空間」と「SNS」が融合したソーシャルVRプラットフォームがすでに一定の基盤を築いている。ガートナーは「26年までに人々の4分の1が、1日1時間以上をメタバースで過ごすようになる」との予測を発表している。これが実現するとなると、消費者の生活は様変わりするはずだ。
メタバースリテイリング の新着記事
-
2022/03/31
社員間で自然な会話が生まれやすい!メタバースオフィスの利用で、良かったことと課題は -
2022/03/30
徹底解説NFT とは何か?小売ビジネスをどう変えるか、アパレルが積極的な理由は -
2022/03/30
メタバース時代の最旬キーワード!「D2A」が小売ビジネスを変える!? -
2022/03/30
リアル接客よりもお客は気軽!勃興するメタバース接客人材市場の可能性とは? -
2022/03/29
参入はできるだけ早く! 3つのアプローチで考える「メタバース×小売」の未来 -
2022/03/29
若者は本当にメタバースで消費をするのか?カギになる2つのコト
この特集の一覧はこちら [13記事]

関連記事ランキング
- 2022-03-31元ヤオコーのコンサルタントが、ヤオコー和光丸山台店の品揃えと棚割りを徹底分析!
- 2022-04-05マネではなく、自分で考える「個店経営」が小売業の第3の変革である理由