Retail AIの「次世代型スマートショッピングカート」を体験! その新たな機能と買物に与える革新とは

2022/03/21 05:55
    湯浅 大輝 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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    3月1日から4日まで、東京都江東区の「東京ビッグサイト」で開催された、第38回流通情報システム総合展「リテールテックJAPAN」。数多くの企業が展示ブースを開く中、ひときわ目を引いたのが、トライアルホールディングス(福岡県/亀田晃一社長)傘下のRetail AI(東京都/永田洋幸社長)が打ち出す、「次世代型スマートショッピングカート」だ。次世代型の新たな機能を、現地で確かめてみた。

    1時間あたりの通過人数はセルフレジの約4倍!

    「スマートショッピングカート」は、ショッピングカートにタブレットとハンドスキャナーを搭載した、セルフレジ機能付きの買い物カートだ。お客は、陳列棚から商品を取り、タブレットの横に取り付けられたハンドスキャナーにかざし、商品を登録する。商品をカート内のカゴに入れ、スマートショッピングカートと連動したゲートから店を出ると、トライアルプリペイドカードから自動的に決済される。つまり、レジに行くことなく、商品をカゴにいれたまま買い物を完結させることができる。

    スマートショッピングカート
    旧型スマートショッピングカート。タブレット横に搭載されたハンドスキャナーで商品をスキャンする。

    スマートショッピングカートの利用により、①レジ待ちの時間を大幅に削減できる②買い物の合計金額がタブレット上で表示されるので、今いくら使っているか一目でわかる、というメリットがある。

    Retail AIは、2018年に「スマートショッピングカート」を実店舗ではじめて導入。これまで「トライアル」を中心に、58店舗に6019台導入しており、月間ユーザー(MAU)約120万人、利用率43.9%と多くのお客に利用されている(2021年12月時点)。同社SSC事業責任者の田中晃弘氏は「特に、レジ待ち時間が削減されることから、『買い物がスムーズになった』という声をいただく」と反響の大きさを説明する。

    事実、スマートショッピングカートの導入店舗では、レジ人時(1時間あたりに必要なレジ業務の人員)が平均20%削減され、ゲートの1時間ごとの通過人数は既存のセルフレジと比較すると、平均約4倍に増えたという。お客にとっては、買物にかかる負担が軽減されるのはもちろん、店舗にとっても、お客の回転率を向上させられるという店舗運営上の利点がある。

    「コロナ禍で『できるだけ人との距離を取りたい』と考えるお客様も多い。スマートショッピングカートを使うことで、レジ前にて『密』にならずともお買い物ができる。さらに、店舗からも、売上が上がりレジのオペレーションコストを削減できることから、導入を望む声が多かった」(田中氏)

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    記事執筆者

    湯浅 大輝 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

    1996年生まれ。シンガポール出身。同志社大学グローバル・コミュニケーション学部卒業後、経済メディアで記者職に就く。フリーライターを経て、2021年12月ダイヤモンド・リテイルメディアに入社。大学在学中に1年間のアメリカ・アリゾナ州立大学への留学を経験。好きな総菜はローストビーフ、趣味は練馬区を散歩すること。

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