AIロボットによる陳列の自動化で、ファミリーマートは店舗作業をどう変えるか?

北野容子
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まるで人間の“手”のようにしなやかに動くロボットアーム

    実際の補充・陳列作業を見てみると改めて驚かされることがある。一般的なコンビニと同様、ALFALINK相模原店のバックヤードの通路幅も7080cmしかない。その狭い空間でロボットが左右に動き、細やかな手つきでペットボトルを持ち上げ、棚に補充するのである。これが可能なのも、ハードウェアからソフトウェアまであらゆる部分を一貫して、TELEXISTENCEが自社開発しているからだという。

    筆者もバックヤードの中で30分近く、ロボット「TX SCARA」の動きを撮影し、眺めていたが、実にロボットのアームの動きが微細でここまで人間の動きに寄せて進化していたことには驚いた。なお、今回の取材では、ペットボトルや缶を完全に倒してしまう姿を見ることはなかったが、ロボットの自動制御による陳列が失敗した際には、遠隔にいるオペレータがVRゴーグルを装着し、ロボットのシステムに入り込んで遠隔操作で倒れたボトルを正しい位置に陳列し直す、という作業を行うそうだ。 

    ファミリーマート広報の吉澤氏は、新しい店舗でもロボットを活用した取り組みを進め、「店舗従業員にとって負担の重い、商品陳列業務を自動化、遠隔化することで、生産性の向上や非接触化を進め、お客さまの利便性向上を加速していく」という。

    今後、店舗の省人化や新しい店舗オペレーションの基盤構築はどのように進むのか、ファミリーマートの次なる一手に注目したい。

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