トライアルホールディングス(福岡県/亀田晃一社長:以下、トライアル)が福岡県宮若市に、同社が推進する「リテールAI」の研究開発拠点を設置すると発表したのは昨年9月のこと。それから1年超が経過し、同拠点の稼働が本格化している。また、市内にスマートストアの最新店舗も出店。開発拠点と店舗が近接するという環境下で、買物体験のさらなる革新を図る考えだ。その最前線をレポートする。
福岡・宮若市と連携し、リテールDXの拠点を構築
福岡県福岡市と北九州市のほぼ中間、両市からクルマで30~40分ほどの場所に位置する宮若市。筑豊地方に属し、1970年代までは炭鉱都市として発展、今日では自動車関連企業が多く進出し製造業が盛んとなっている街だ。
そんな宮若市と連携して、トライアルが「リテールAI」の研究開発拠点を軸とした“街づくり”を推進するという「リモートワークタウン ムスブ宮若」の構想を発表したのは昨年9月のことだ。市内に点在する廃校や商業施設の撤退跡などをそのまま活用し、産官学による「リテールDXの拠点づくり」を行うべく、トライアルグループのオフィス、研究開発拠点、店舗、さらにはホテルや飲食店なども展開するという壮大な内容であった。それから1年以上が経過し、オフィスと研究施設から本格稼働を開始。さらに10月下旬にはトライアルが昨今出店を進めている、AIやIoTの活用により革新的な買物体験を提供する「スマートストア」の最新店舗も市内にオープンしている。
行政の大きなバックアップがあるとはいえ、なぜトライアルは宮若市という場所を戦略的な拠点として選んだのか。そしてそこで何を行おうとしているのだろうか。実際に現地を訪れてみると、トライアルのねらいが明瞭に見えてきた。
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まず
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