ついに名古屋にも旗艦店! 年間売上高30億円めざす「@cosme NAGOYA」をレポート
@cosmeの会員データを生かした売場づくりとは
名古屋店で新たに導入されたのが「カプセルコスメ(ガチャウォール)」だ。店舗内に15台のガチャマシンを設置し、@cosme会員が会員証をかざせば1回20ポイントでサンプルを引き当てられる仕組みで、毎月約2万カプセルを提供する。

これまで大阪店で導入した無料サンプルの自販機が人気を博したが、名古屋店ではあえてポイントが必要となる有償型に変更。「無償サンプルはもらったまま使われないことが多い」という課題を解決し、消費者が商品への興味を高め、実際の使用を促すねらいだ。またガチャ利用データを@cosmeの会員情報と連携し、ブランド側が購入後のフォローアップや購買動向を把握できる仕組みも整えた。

さらに、ヘアケア市場の急成長を受けて「AIヘア診断サービス(Faview)」を初導入した。これはタブレット端末で髪の水分量や毛の太さなどを30秒で測定し、顧客を4タイプに分類するもので、「@cosmeベストコスメアワード 上半期新作ベストコスメ2025」総合大賞にシャンプーが初選出されたことを契機に導入された。

この診断結果はヘアケア商品の棚と連動し、分類されたタイプごとにプライスカードを色分けして表示。これにより、消費者が自身の髪質に合う商品を簡単に見つけられるようになり、ヘアケア商品の購買を促進する。
店内中央には「ウォータースペース」を設置し、大型のシンクで気軽にコスメを洗い流せる環境を整えた。試用したコスメを気兼ねなく落とせるため、多数の商品をストレスなく試すことが可能だ。

また、向かい合わせの場所に「リップバー」を設け、デパコスからプチプラまで、幅広いリップ商品を並べて同時に比較ができるようにした。これにより消費者が商品を比較検討する際の利便性を向上させ、滞在時間の延長と購買確率の向上をねらっている。
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以上のような売場づくりで、名古屋店では初年度売上高30億円、月間入店客数約20万人を目標に据える。アイスタイルの遠藤宗社長は「東京店、大阪店ともに売上予想をいい意味で裏切っている」と頬を緩める。実際、25年3~5月の期間だけで見ても、各月の売上高は東京店が8億円、大阪店が5億円を超えているという。こうした実績を考えれば、名古屋店が掲げる初年度30億円という目標は現実的なものといえそうだ。







