スーパー2店舗を相次ぎ出店! イオンリテールの新潟ドミナント新戦略
イオンリテール(千葉県/古澤康之社長)が新潟市内で攻勢をかけている。3月18日に「イオンスタイル黒埼」、同27日に「イオンスタイル白山浦」と、食品スーパー(SM)業態の新店2店舗を相次いで出店し、市内での存在感を一気に大きくした。
異なる立地、異なる規模での出店となった両店ではどのような売場づくりをしているのか。
イオンスタイル黒埼(くろさき)

●開業日: 2025年3月18日
●店舗面積: 3100㎡
●所在地: 新潟県新潟市西区山田20-1
●営業時間: 7:00~24:00(1階直営売場)
●アクセス: JR「新潟」駅からクルマで約16分
●駐車台数: 195台
「リプレイス」型のフード&ドラッグ店舗
イオンスタイル黒埼は、JR「新潟」駅から南西へ約6㎞離れた国道8号線沿いに位置する。北陸自動車道や国道バイパスのインターチェンジに近く、クルマでのアクセスが良好な立地だ。周辺は商業集積地となっており、わずか約150mの至近には原信(新潟県/丸山三行社長)の繁盛店の1つである「原信黒埼店」がある。
イオンリテールは新潟県内に27店舗のSMを展開しており、県内におけるSMのさらなる成長戦略として「リプレイス(移転)」「新店」「活性化(改装)」の3つのコンセプトを掲げる。イオンスタイル黒埼はこのうち「リプレイス」に分類される店舗。
2023年に吸収合併した清水商事の「清水フードセンター黒埼店」を24年2月に一時閉業、同店から北へ300mの場所に移転し、イオンスタイル黒埼として新たにオープンしたかたちだ。
リプレイスに伴い、店舗面積は旧店舗の3倍にあたる3100㎡に拡大。1階が直営のフード&ドラッグの売場、2階が「サイゼリヤ」など飲食テナントと駐車場からなる2層構造となっている。食品と非食品をワンストップで買物できる利便性を軸としつつ、各部門・カテゴリーで日常づかいからハレの日向けのアイテムまでを幅広く確保することで、集客につなげたい考えだ。
鮮魚を強化し、地場SMに対抗!
まず食品売場から見ていくと、トップの青果では最前部の平台でイチゴやみかんなど旬の果物を集積して季節感を演出。野菜は入口付近に地場野菜コーナーを設け、新潟市を中心とした近郊農家の新鮮な野菜を提案する。加えて、オーガニック野菜、室内栽培野菜などを各所でコーナー展開することで、テーマ性のある売場に仕上げた。


青果から続く、売場奥に配置した鮮魚は、イオンスタイル黒埼の集客の要に位置づけられる売場の1つだ。「(近接する)原信さんの鮮魚の販売力は高く、それに負けない品揃えと売場づくりを追求した」と林裕店長も力を込めるほどだ。
売場には対面コーナーを設け、新潟県産の地魚をメーンに新鮮な丸物がぎっしりと並ぶ。オープン日は新潟県産の「赤がれい」「真アジ」など一部の魚種で1尾500円(以下税抜)均一セールを行っており、多くのお客が足を止めていた。
丸物のほか、刺身・切り身はもちろん、冷蔵ケースでは「トップバリュ」商品を中心としたレンジアップの魚総菜、新潟県の郷土料理「鮭の焼き漬け」など簡便アイテムも豊富に揃える。

精肉は「村上牛」「越後もち豚」など県産の銘柄肉をはじめ、トップバリュの「匠和牛」「純輝鶏」など幅広い価格帯のアイテムを展開。さまざまな客層・用途・食シーンに対応すべく、小サイズからファミリーパックまで量目対応にも抜かりがない。
また、
DCS Report の新着記事
-
2025/07/16
ついにベールを脱いだ、ローソンの「未来のコンビニ」の実像 -
2025/07/15
超小型店にエシカル新業態……イオン九州、新フォーマット続々開発のねらい -
2025/07/15
薬王堂、関東進出&5年で450店舗の衝撃! 関東1号店の全貌に迫る -
2025/06/18
若年層の取り込みに成功! イオンリテールの「住居余暇改革」の全貌 -
2025/06/17
愛知のローカルスーパー、ヤマナカが「高質業態」を再定義 そのねらいと成果は -
2025/06/17
意外にも台北初出店!ロピア台湾6店舗目「ららぽーと南港店」の売場をレポート
この連載の一覧はこちら [292記事]

イオンリテール,イオンスタイルの記事ランキング
- 2025-06-23イオン東北初の試み盛り沢山! 「イオンスタイル八戸沼館」の注目ポイントとは
- 2025-06-30おかずやサラダの量り売りコーナーを導入! 「イオンスタイル竹の塚」の総菜売場を徹底解説
- 2025-01-27売上2ケタ増!イオンリテールの店舗出荷型ネットスーパー、好調の理由
- 2022-10-04イオンの冷凍食品専門店「@フローズン」の戦略と売場づくりを徹底解説
- 2023-10-24イオンリテールの課題解決SC? 「そよら」が担う3つの役割とは
- 2023-12-11イオンの住関品PB「ホームコーディ」が攻勢! 専門人材の投入で開発体制強化へ
- 2024-07-01スマホ1つでレジまで…進化するスーパーマーケットアプリの現在地
- 2025-04-21週刊スーパーマーケットニュース ベイシア、「楽天マート」でPB商品の展開を開始!
- 2025-06-16週刊スーパーマーケットニュース コープさっぽろ、地域協同で繊維リサイクルを推進
- 2025-07-04兵庫県初の「そよら」に開業! 「イオンスタイル西宮今津」の差別化戦略とは
関連記事ランキング
- 2025-06-25食品スーパー決算2025 優勝劣敗鮮明でランキング上位にも大きな変動が!?
- 2025-06-23イオン東北初の試み盛り沢山! 「イオンスタイル八戸沼館」の注目ポイントとは
- 2025-07-08青果部門が迎える新局面……安定供給と差別化のカギは、小売起点の流通改革!
- 2025-06-27千葉北西部のドミナントをさらに深耕 「ヤオコー松戸古ケ崎店」の売場づくりを速報!
- 2025-06-30おかずやサラダの量り売りコーナーを導入! 「イオンスタイル竹の塚」の総菜売場を徹底解説
- 2025-07-14専門家が緊急提言! 「食品スーパーの青果部門は、今すぐ全体最適の発想から脱却せよ」
- 2025-06-24年商目標約39億円! サミットの新店「ららテラス北綾瀬店」の売場づくりを速報
- 2025-07-04大店立地法新規届出速報 オーケーが大阪府内に2店舗を新設へ
- 2025-07-09青果卸を買収し強固なサプライチェーンを構築!オギノの青果はどう変わる?
- 2025-07-0323区内出店加速の号砲!? 「ヤオコー杉並桃井店」の全貌をレポート
関連キーワードの記事を探す
もっと“イカす”企業に! アクシアル リテイリング原和彦社長が語る成長戦略
商品開発、産地支援……サミットが「インストアサラダ」を軸に行う青果改革!
青果部門が迎える新局面……安定供給と差別化のカギは、小売起点の流通改革!
おかずやサラダの量り売りコーナーを導入! 「イオンスタイル竹の塚」の総菜売場を徹底解説
週刊スーパーマーケットニュース コープさっぽろ、地域協同で繊維リサイクルを推進
兵庫県初出店の「そよら西宮今津」 激戦区で選ばれるための差別化戦略とは
週刊スーパーマーケットニュース ラルズ、「プチプチ専用回収BOX」を3店舗に設置
薬王堂、関東進出&5年で450店舗の衝撃! 関東1号店の全貌に迫る
超小型店にエシカル新業態……イオン九州、新フォーマット続々開発のねらい