郊外立地のモデル店舗となるか? 中部エリア2号店「ロピア柳津店」の売場を解説!

矢野清嗣
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開店から50日が経過も客足は落ちず?

 今回の調査では、オープンから50日前後が経過した、“開店ムード”から通常営業に入る時期に店舗を訪ねた。日曜に店舗を訪れると、開店から夕方まで途切れることなく店内はにぎわっていたものの、長蛇のレジ行列はなく、商品を吟味しながら買物ができる適度な混雑ぶりだったように感じた。スタッフの商品補充も行き届いており、時間帯にあわせた臨機応変な商品展開もできていた。

 客層を観察すると、ロピアのメインターゲットでもある子連れの30~40代ファミリーのほか、20代とみられる男女ペアも多く見かけた。クルマ立地ということもあって、お客の行動もある程度予想できていたためか、商品管理、販促、価格設定、駐車場の動きなどを見ても、おおむね想定どおりに運営されているように見えた。立地に合わせた商品構成、販促など、地に足のついた対応がとられており、ロピアが標榜する個店経営の柔軟性が発揮されているようだ。

売りたい商品を売る!

 もう1つ特筆したいのは、オリジナル商品の扱いとその販売姿勢だ。かつての流通業界人は「売れ筋商品を売り、欠品は決して出してはならない」と教え込まれてきたが、ロピアの売場を見ていると、売れ筋商品は売りつつも、「売りたい商品を売る」という姿勢が伝わってくる。たとえ単価が高くても、「売れる」と判断した商品はゴンドラエンドで大胆に提案する。すると、それらの商品が売れ出していくのである。

 柳津店では、「だし」コーナーで、前編で解説した特性木製什器の上部ぶ、京都市の「福島鰹・京香る割烹旨味だし10g×20」(1899円)、福岡県の「キイチロウ・喜一郎だしお徳用8g×20」(999円)など一般的な食品スーパーではあまり見かけない商品を扱っている。売場では、各種販促物を使ってそれらの商品を積極的にアピールしており、手に取って商品を吟味しているお客もちらほらと見かけた。

 筆者はこれまでロピアのすべての店舗を拝見しているが、柳津店は売場配置、商品構成ともにシンプルで無駄がなく、ロピアのよさが売場内でうまく表現されているように映った。この売場スタイルが今後、郊外型店舗のモデルになっていくのかもしれない。

(店舗概要入る)
所在地 岐阜県岐阜市柳津町流通センター 1-40
開店日 2022年8月2日
売場面積 約470坪(歩測)
営業時間 9:00~19:00
駐車台数 1100台(ビバホームの駐車台数)

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