好調ユニーの最先端!改装「アピタ稲沢店」の売場づくりを徹底解説

取材・文:大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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GMS改革を推進中のユニーが大きな手ごたえを得ているのが、既存店舗に「個店経営」を取り入れて再生する「New GMS」業態へのリニューアルだ。どのような店づくりを実践しているのか。3月26日に「New GMS」へと全面改装した「アピタ稲沢店」(愛知県稲沢市)の取り組みをレポートする。

売上高、客数ともに約20%伸長!

 コロナ禍の外出自粛生活で業績が落ち込むGMSが多いなか、2021年6月期既存店売上高を対前期比2.6%増と伸長させたユニー。なかでも好調ぶりが目立ったのが、「New GMS」への改装店舗だ。

 ユニーは17年11月にPPIH(当時ドンキホーテホールディングス)と資本・業務提携を結んで以降、不採算GMSをUDリテールに移管し、「ドン・キホーテ」とのダブルネーム店舗へ転換して再生を図っている。そして19年1月にPPIHの完全子会社となったのち、それに並行して21年6月期から進めているのが「New GMS」業態の展開だ。既存のGMSをユニーのもとに残し再生させる店舗で、21年6月期にリニューアルした「New GMS」計11店の平均では、売上高が改装前比で23.4%増、客数が同19.6%増と大きく向上する効果が出ている。

アピタ稲沢店
3月26日に「New GMS」へと全面改装した「アピタ稲沢店」(愛知県稲沢市)

 今回訪れた「アピタ稲沢店」は、名鉄名古屋本線「国府宮」駅から西へ約3㎞にある。ユニー稲沢本社に隣接する店舗で、ユニーの中でも指折りの繁盛店だ。1996年の開業から25周年を機に「NewGMS」へとリニューアル。1、2階の直営売場を全面改装した。

 「New GMS」の最大の特徴は、商品本部主導で行われてきた「チェーンストア経営」発想の店づくりから、個店ごとの競合状況や顧客ニーズを熟知した「現場」(=営業本部)に権限を委譲する「個店経営」への転換を図っている点だ。

 アピタ稲沢店では、

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取材・文

大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

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