北陸のMDを前面に打ち出し快調!アルビス愛知1号店の中村二瀬店の売場づくりを徹底解説

取材・文:松尾 友幸 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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アルビス中村二瀬店

アルビス中村二瀬店

〒453-0837 愛知県名古屋市中村区二瀬町26-5
電話:052-413-3620
名古屋市営地下鉄東山線「岩塚」駅から徒歩約7分

北陸地方を地盤とする食品スーパー(SM)のアルビス(富山県/池田和男社長)は7月15日、愛知県名古屋市に「アルビス中村二瀬店」(以下、中村二瀬店)をオープンした。同社が愛知県に出店するのは初めて。地元北陸の商品政策(MD)を前面に展開しつつ、地域対応や即食強化などに取り組んだ最新店舗の戦略をレポートする。

朝獲れの魚介類を当日に販売

アルビス中村二瀬店 佃浩成店長
佃浩成店長
「まだまだ紹介できていない北陸の食材がたくさんあるので、少しずつ提案を進めていきたいです」

 中村二瀬店は、名古屋市営地下鉄東山線「岩塚」駅から徒歩で約7分、大通りから1本入った住宅街の中にある。以前はイオン系のディスカウントストア「ザ・ビッグエクスプレス向島店」があった場所への出店だ。基本商圏となる店舗から半径1.5㎞圏内には約7万7000人/約3万8000世帯が居住している。北陸も含め、アルビスとしてはこれまでで最も人口が多いエリアへの出店となった。世代別人口構成では65歳以上のシニア層の比率が愛知県平均よりも高く、単身世帯が多いのも特徴だ。周辺の競合店としては「パレマルシェ中村店」「アオキスーパー中村店」などがある。また、隣接地にはドラッグストアの「V・ドラッグ二瀬店」がある。

 アルビスは第3次中期経営計画において、愛知・岐阜の中部エリアで2024年3月期末までに5店舗体制を構築することを掲げており、中村二瀬店の出店はその一環である。なお、すでに19年4月には、岐阜県美濃加茂市に「アルビス美濃加茂店」(以下、美濃加茂店)を開業している。

 愛知県初出店となる中村二瀬店では、アルビスの強みである海産部門を軸に北陸産の商品を前面に打ち出すことを基本的な戦略としており、魚に合う調味料や酒類など、関連販売にも多く取り組む。海産部門だけでなく、あらゆる部門で「石川の逸品」といったPOPを差し込むなど、北陸産の商品であることがわかる売場づくりを行っている。

 味噌や手羽先など、名古屋で好まれる商品も差し込んでいるが、名古屋への出店だからといってとくに地元商材に偏っているわけではなく、あくまで北陸の既存店のMDをベースとした品揃えを提供するのが中村二瀬店の戦略だ。中部販売部長も兼ねており、美濃加茂店の立ち上げにも関わった佃浩成店長は

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取材・文

松尾 友幸 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

1992年1月、福岡県久留米市生まれ。翻訳会社勤務を経て、2019年4月、株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。流通・小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属。主に食品スーパーや総合スーパー、ディスカウントストアなど食品小売業の記者・編集者として記事の執筆・編集に携わる。趣味は旅行で、コロナ前は国内外問わずさまざまな場所を訪れている。学生時代はイタリア・トリノに約1年間留学していた。最近は体重の増加が気になっているが、運動する気にはなかなかなれない。

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