ドンキの新業態「お酒ドンキ」で3500円の「ウィスキーがちゃ」と850円のペットボトルビールがバカ売れしている事情

取材・文:松尾 友幸 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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「ウィスキーがちゃ」では高額商品が当たる可能性も

お酒ドンキの売場
お酒ドンキでは、ネット専売品など競合が取り扱わない商品を中心に品揃えしている

 お酒ドンキの取り扱い商品は約1100SKU。既存店にはない珍しい商品を中心に品揃えしており、八重洲地下街にあるほかの酒類専門店ともバッティングしないような商品構成となっている。ネット専売品のほか、高級ワイン、約100種類の世界中のクラフトビール、若者に支持が高いリキュール商品やパーティードリンクなどを取り扱っている。「既存店にないような商品も、『今回は酒類専門店だから』ということで特別に卸していただいたものも多い。独自の品揃えが実現できた」(ドン・キホーテ第29支社長 太田越太(おおたごしふとし)氏)

 同店の施策としてとくに注目したいのが、初導入した「ウィスキーがちゃ」だ。ドン・キホーテが得意とするアミューズメント性を体現した施策で、1回3500円(以下、税抜)でガチャを回し、ランダムで商品が当たるというもの。最低でも3500円以上の商品が当たるようになっており、最も高いものでは数万円の価値がある商品も含まれている。約3日で筐体に入るカプセル100個が全部なくなるとのことで、おおよそ3日に1度は高額酒類が当たっている計算になる。お客からも好評で、1人で3~4回挑戦する人もいるという。「必ず3500円以上のものが当たるため損をしない仕組みになっている。これが購買意欲を掻き立てているのではないか」(太田越氏)

お酒ドンキの「ウィスキーがちゃ」

お酒ドンキの「ウィスキーがちゃ」
高額商品がランダムで当たる「ウィスキーがちゃ」

 この「ウィスキーがちゃ」のほか、包装紙と箱を同じものに統一して中身がわからないようにした「お楽しみスパークリングワインBOX」も展開。こちらは1本1980円で、「ウィスキーがちゃ」と同じく価格以上の商品が必ず入っており、60本に1本の割合で2万円ほどのドン・ペリニヨンが含まれている。

 そのほか、お酒ドンキでは独自商品として4種類の「生クラフトビール」を展開。ペットボトルに入った生ビール(非加熱処理のビール)で、価格は1本850円と高単価だが、単品売上上位10品に入るほどの人気商品でリピーターも多いという。「市場でもあまり見ないペットボトル形状で、当社では全国でも当店しか扱っていないレアな商品で支持は高い」(太田越氏)

お菓子ドンキ・お酒ドンキ、ペットボトルに入った「生クラフトビール」
ペットボトルに入った「生クラフトビール」

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取材・文

松尾 友幸 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

1992年1月、福岡県久留米市生まれ。翻訳会社勤務を経て、2019年4月、株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。流通・小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属。主に食品スーパーや総合スーパー、ディスカウントストアなど食品小売業の記者・編集者として記事の執筆・編集に携わる。趣味は旅行で、コロナ前は国内外問わずさまざまな場所を訪れている。学生時代はイタリア・トリノに約1年間留学していた。最近は体重の増加が気になっているが、運動する気にはなかなかなれない。

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