利用しやすさではアマゾン・ゴー越え?ファミマの無人決済店舗実用化1号店は何がすごいのか?今後の展開は?

若狭 靖代(ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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無人決済店舗導入でファミリーマートが描く今後は?

 今回、ファミリーマートが無人決済店舗を導入したねらいは、コロナ禍で高まる非接触ニーズへの対応はもとより、高騰する人件費を抑制する有効な手段を確保することと、マイクロマーケットへの出店に弾みをつけることにある。

 人件費削減については、前述の通り1名での営業が可能になるため、全時間帯で最低でも2名のスタッフを必要とする通常店舗と比べると大幅なコストカットに繋がる。また、ファミリーマートは以前から病院や工場など、いわゆるマイクロマーケットと呼ばれる特定施設内への出店を積極的に進めてきたが、これまではスペースや採算性の問題で出店が難しかった場所にも、無人決済技術の利用によって出店を拡大する方針だ。

 一方、フランチャイズ(FC)店舗の利益増加につなげる考えもあるという。まだ検討段階とのことだが、既存のオーナーが少し離れたところにサテライトとして小規模な無人決済店舗を出店することで、利益の増加を見込むものだ。

 ただ、今後の展開についてファミリーマートは、「第1号店がきちんと運用できるか、問題点は何か、徹底的に検証した上で展開を検討したい」(同社執行役員 ライン・法人室長 狩野智宏氏)と慎重な姿勢を見せた。同社の決済システム「ファミペイ」などが未対応であることなども含め、今後TTGと協力しシステムの完成度を高めていきながら、展開についても検討する考えだ。

 また、ファミリーマートの細見研介社長は、「(無人決済店舗は)コロナ禍で変化する顧客のニーズに対応し、人件費などの問題に対抗する非常に有効な一打となるとみている。ファミリーマートの新たな発展の礎になれば」と期待を語った。

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