新たなローカライズ戦略は新体制でどうなる?西友最新店舗サニー福岡長浜店の売場づくり徹底解説

雪元 史章 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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サニー福岡長浜店(西友)の外観

サニー 福岡長浜店(西友)

〒810-0075 福岡県福岡市中央区港1-10-1
電話:092-739-6075
福岡市地下鉄空港線「赤坂」駅から徒歩約8分

西友(東京都/大久保恒夫社長兼CEO)は2月25日、福岡県福岡市に「サニー福岡長浜店」(以下、福岡長浜店)を開業した。九州では約12年ぶりの新規出店となった同店は、西友が昨今注力してきた地域に根差した店づくり、商品政策(MD)の取り組みを随所で見て感じることができる特徴的な店舗である。

徹底した地域密着型の店づくりを志向

サニー福岡長浜店 寺松龍範店長
寺松龍範店長
「地域に根差した店づくりを行い、地域の皆さまに愛される店にしていきたいです」

 福岡市地下鉄空港線「赤坂」駅から歩くこと約8分。福岡市中心部からほど近くのベイエリアに誕生した商業施設「キテラタウン福岡長浜」の1階部分に、福岡長浜店は出店した。

 西友は2008年、九州地方で食品スーパー(SM)を展開していた完全子会社のサニーを吸収合併。その直後に「サニー南熊本店」(熊本県熊本市:現在は閉店)をオープンしたが、それ以来九州地区での新規出店はなく、今回実におよそ12年ぶりの新店開業となった。売場面積は1523㎡、年商目標は公表していない。

 店舗周辺は近年マンションの建設が進んでおり、ファミリー層を中心に人口は増加傾向にある。現時点では半径1.5㎞圏内で4万4316世帯/6万8388人が居住する。

 競合店としては「マミーズ舞鶴店」「レガネットキュート赤坂門店(運営:西鉄ストア)」「マックスバリュエクスプレス港町店(同:イオン九州)」などがあるが、比較的小型の店舗が多い。1500㎡超の売場面積を有する福岡長浜店は地域ニーズに応えたきめ細かな商品政策(MD)と品揃えで、地域住民の取り込みを図りたい考えだ。

 西友は19年6月に中期事業計画「スパーク2022」を策定、そのもとで地域に密着しながら「よりよいものをより安く」を実現する「ローカル・バリュー・リテーラー」になることをめざしてきた。端的に言えば、それまでの“ウォルマート流”のEDLP(エブリデー・ロープライス)政策に偏重するのではなく、それはベースにしつつ地域ニーズに対応した品揃えや売場づくりにも取り組む、という戦略の転換だった。

 福岡長浜店もその方針を貫いた店となっており、売場の随所で

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記事執筆者

雪元 史章 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

上智大学外国語学部(スペイン語専攻)卒業後、運輸・交通系の出版社を経て2016年ダイヤモンド・フリードマン社(現 ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。企業特集(直近では大創産業、クスリのアオキ、トライアルカンパニー、万代など)、エリア調査・ストアコンパリゾン、ドラッグストアの食品戦略、海外小売市場などを主に担当。趣味は無計画な旅行、サウナ、キャンプ。好きな食べ物はケバブとスペイン料理。全都道府県を2回以上訪問(宿泊)。

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