国連も注目する独自の液体凍結技術 冷食専門店TŌMIN FROZENとは

ダイヤモンド・チェーンストア編集部
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見るべき店大

近年、食品スーパー(SM)で売場が拡大している冷凍食品。新型コロナウイルス(コロナ)感染拡大下でまとめ買い需要が高まるなか、保存の利く冷凍食品のニーズはますます高まっている。そんななか2月5日にオープンしたのが「TŌMIN FROZEN」(神奈川県横浜市)だ。冷凍機器メーカーが手掛けた冷凍食品専門店で、独自の品揃えと情報発信により、冷凍食品に対する意識改革、需要喚起を図っている。

TŌMIN FROZENの店内
テクニカンが2月5日オープンした「TŌMIN FROZEN」(神奈川県横浜市)。取材日は月曜日の開店直後だったにもかかわらず多くの人が来店。興味深そうに商品を手にとっていた

独自の凍結技術を使った商品約500品目を集結

テクニカンの山田義夫社長
テクニカンの山田義夫社長

 冷凍食品専門店「TŌMI NFROZEN」は、横浜市営地下鉄「仲町台」駅から北西約150mに立地する。同店を開発したのは凍結機器の製造・販売を行うテクニカン(神奈川県/山田義夫社長)だ。同社の主力製品である液体急速凍結機「凍眠(とうみん)」で凍らせた食品のみを取り扱う店として初めて出店した。

 「凍眠」は、マイナス30℃の液体アルコールで食品を急速凍結する。テクニカンの山田義夫社長が開発し、特許などの知的財産権を有するこの液体凍結技術は、気体凍結よりも熱伝導率が高い。そのため凍結時間が大幅に短縮され、食品の細胞の破壊を抑えられる点が特徴だ。これにより解凍時のドリップの発生が少なく、食品の食感や風味の再現性が高い。また常温・低温・加熱・流水など解凍方法を問わない。すでに生鮮食品の産地や、食品製造工場、飲食店など約2000社が採用し、一部の大手食品小売企業も食品工場に導入している。

 「TŌMIN FROZEN」では、テクニカンの独自開発品のほか、「凍眠」を導入している企業のうち60社ほどの商品を買い取って販売する。カテゴリーは幅広く、畜産物や水産物といった生鮮から、チーズや漬物などの日配品、そしてスイーツ、麺類、総菜などの調理済み食品まで計約500品目を揃える。

テクニカンの液体凍結技術で解凍時にドリップがほとんど出ない
テクニカンの液体凍結技術は、急速で冷凍することによって素材の細胞が破壊されないため解凍時(写真右)にドリップがほとんど出ないのが特徴だ

 産地でとれたての状態で凍結した生鮮品はもちろん、管理栄養士が監修した健康志向の総菜や、人気料理店のシェフの料理、なかには寿司や刺身といったテクニカンの液体凍結技術だからこそおいしさが実現できるという珍しい商品もある。加えて2019年8月に業務提携した伊藤忠食品(大阪府/岡本均社長)とともに手掛ける冷凍食品ブランド「凍眠市場(とうみんいちば)」の商品約70品目も並ぶ。

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