西友高野台店 中期事業計画のモデル店舗登場 ローカル・バリュー・リテーラーを体現

取材・文:阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
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dcs200801seiyu〒177-0033東京都練馬区高野台1-20-1
電話番号:03-5393-7481
西武池袋線「練馬高野台」駅徒歩約8分

西友(東京都/リオネル・デスクリー社長)は6月25日、東京都練馬区にある西友高野台店(以下、高野台店)を改装オープンした。中期事業計画「スパーク2022」のモデル店舗となる同店の売場づくりはどう変わったのか!?

ローカル・バリュー・リテーラーとは!?

 2019年3月付で社長に就任したリオネル・デスクリー氏のもと、西友では「ローカル・バリュー・リテーラー」というビジョンを実現するべく、中期事業計画「スパーク2022」を策定した。このビジョンは、“地域のみなさまに、良いものを安く”提供するという意味である。「ローカル・バリュー・リテーラー」になるために、西友では大きく以下の4つの価値提供を進める。「毎日のお買い物を一番安く」「うれしい、おいしいお惣菜」「新鮮な生鮮食品」、そして「快適な買い物体験」である。つまり、生鮮3品+総菜の品質が高く、それでいてウォルマートの代名詞であるエブリデー・ローコスト(EDLC)をベースとしたエブリデー・ロープライス(EDLP)により低価格を実現、さらには買物しやすい売場環境を提供するという考えである。

 その新しい店づくりが実装された店として、西友は昨年11月に「ローカル・バリュー・リテーラー」のベータ版ともいうべき「国領店」と「府中四谷店」(いずれも東京都)を改装オープン。今回の高野台店は同日オープンした「富士見ヶ丘店」(東京都)と合わせて「バージョン1.0」と社内で位置づけられ、最新の売場が導入された。

 2000年にオープンした高野台店は平面の自走式駐車場を59台分備える売場面積1552㎡のワンフロアの店舗だ。西武池袋線「練馬高野台」駅から北へ徒歩約8分の距離にある。同駅は1994年に開業した西武線で最も新しい駅で、1日の乗降客は約2万7000人。店舗周辺は集合住宅が中心で、駅から離れるにしたがって戸建て住宅も増えていくイメージである。競合店は、いずれも同駅前にあるヨークフーズ練馬高野台店(旧食品館イトーヨーカドー)とピーコックストア高野台店。うち駅直結のヨークフーズは便利な半面、売場面積は限られている。

デザイン一新「クオリティ」を訴求する

 青果売場からスタートする高野台店は、コンコース左壁面に精肉売場、そして突き当たりの店舗奥主通路沿いに鮮魚売場が配置されており、生鮮3品が集中的に並ぶレイアウトを採用している。総菜とインストアベーカリーは、生鮮3品の逆サイドである出口側のコンコースに、連続的に配置している(レイアウト参照)。

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取材・文

阿部 幸治 / ダイヤモンド・チェーンストア編集長

マーケティング会社で商品リニューアルプランを担当後、現ダイヤモンド・リテイルメディア入社。2011年よりダイヤモンド・ホームセンター編集長。18年よりダイヤモンド・チェーンストア編集長(現任)。19年よりダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集長を兼務。マーケティング、海外情報、業態別の戦略等に精通。座右の銘は「初めて見た小売店は、取材依頼する」。マサチューセッツ州立大学経営管理修士(MBA)。趣味はNBA鑑賞と筋トレ

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