売上10倍も!行動変容をとらえた「楽しい内食」を提案するスーパーのSNS活用

2020/05/22 05:55
宮川耕平(日本食糧新聞社)

SNSで発信 コロナ後も見据えた試み

カスミのメニュー提案ライブ配信、第1回の試食役に小浜裕正会長が出演
カスミのメニュー提案ライブ配信、第1回の試食役に小浜裕正会長が出演

 安定供給や混雑緩和を理由に、多くのスーパーではチラシ販促を中止しています。折込でもウェブでも、チラシは利用者に向けた最も重要な情報ツールですが、それを封じられたからといって店からの発信手段が全て断たれたわけではありません。LINE、インスタ、FacebookなどSNSを通じた情報提供に多くのチェーンが取り組んでいます。

 販促目的のチラシとは異なり、SNSではその特性上、共感を得ることが主目的になっているようです。今の状況下では、「内食を楽しむために」が重要なテーマです。

 ヤオコー のFacebookページには、オリジナル商品の紹介が頻繁にアップされています。その特徴やアレンジレシピを紹介するイラストがいい感じです。同社が長く取り組んできたオリジナルレシピの紹介のために、「ヤオコーレシピ by Cooking Support」というサイトも運営しています。

 ライフコーポレーションは、SNSや自社HPでレシピ動画の配信に力を入れています。動画レシピサービス「デリッシュキッチン」と提携した取り組みです。Facebookには「おうちで元気に!」のテーマでレシピだけでなく簡易マスクの作り方も投稿しており、現状の「困りごと解決」に貢献しようという意志が伝わります。

 カスミはSNSの取り組みが早く、Facebookの運用は8年前に開始しています。レシピ動画の投稿も以前から続けてきましたが、5月7日にはメニュー提案のライブ配信がスタートしました。店頭でのイベントが難しい現状で、顧客とリアルタイムに双方向のコミュニケーションを行うための試みです。

 カスミの動画はライブ後も閲覧可能で、店頭のサイネージでも放映します。ライブ配信は月2回を予定、メニュー提案以外にも健康情報や地域情報を取り扱うそうです。

 新型コロナの影響で、当面は内食志向が続くはずです。これを機に内食の魅力を伝えることは、スーパーにとってコロナ後の事業にも関わることです。魅力を伝える方法も、チラシ一辺倒から変わるべきであることは以前からの課題でしたが、顧客の行動変容により、SNSを活用した工夫が進みそうです。

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