ホームセンター「ストアオブザイヤー2020」第1位のダイユーエイト福島西店がスゴい!

高浦佑介 (ダイヤモンド・ホームセンター編集長)
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アレンザグループの
シナジーを発揮

同店のコンセプトは大きく2つある。

1つは「『来て』『見て』『触って』体験できる、体験型の店舗創り」だ。今回、電動工具を貸し出し、買った商品をその場で加工できるDIY工房「エイトクラフト」と、ガーデン関連のイベントを行う「園芸教室」を同社として初めて設置した。それぞれ週に2回イベントを行っており、利用客は親子連れや女性が多い(現在は休止中)。

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DIY教室を開いたり、工具の貸し出しを行う「エイトクラフト」
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同社初となる園芸教室用のスペースを導入

2つめのコンセプトは、「ライフスタイル提案型の売場創り」である。それを実現させるために、アレンザホールディングス(福島県/浅倉俊一社長)傘下のホームセンターバロー(岐阜県/和賀登盛作社長)と、タイム(岡山県/吉原重治社長)のノウハウを集約し、各カテゴリーの専門性を強化した。

アウトドア売場は、ホームセンターバローに習う。同社が展開している「アウトドアワールド」の運営方法や品揃え、売場づくりのやり方を、「ホームセンターバローメガストア稲沢平和店」(愛知県稲沢市)で学んだ。今年6月に「ダイユーエイト仙台茂庭店」(宮城県仙台市)で実験的に導入し、とても好調だったため、福島西店で横展開した。

同売場では、「コールマン」や「ロゴス」といったアウトドアメーカーのブランド品やナイフがよく売れるという。

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アウトドア売場はグループ企業のホームセンターバローを参考にした

インテリアガーデン売場は、タイムのノウハウを注入し、「インナチュレ」を展開。担当者は1カ月間、タイムの店舗で研修を受け、売場づくりや運営方法を学んだ。インナチュレでは専用レジカウンターを設置し、ラッピングのサービスも行う。

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インテリアガーデンはタイムを参考に売場を展開している

旧ダイユー・リックホールディングスとバローホールディングス(岐阜県/田代正美社長)の経営統合には、業界の多くの人が驚かされた。また、統合から約半年で福島西店のようなグループの総力を合わせた店舗づくりが行われたことが多くの人に衝撃を与えた。

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記事執筆者

高浦佑介 / ダイヤモンド・ホームセンター編集長

2010年東京大学文学部卒業、12年同大学院修士課程(社会心理学)修了。14年ダイヤモンド・リテイルメディア入社。『ダイヤモンド・チェーンストア』誌の編集・記者を経て、19年4月より現職。

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