沖縄行ったら一度は見たい、PBもお土産に!県内最大「サンエー浦添西海岸PARCO CITY」の食品売場

松尾 友幸 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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沖縄限定の「ローソンセレクト」

 もちろん、高質の商品だけでなく、これまで地域住民に支持されてきた地元商品も品揃えしている。サンエーパルコシティでは県産品も既存店と同程度取り扱っており、その割合は全体の約3割を占めている。精肉売場では沖縄県のブランド豚である「あぐー豚」やラフテー、青果売場では県産のモロヘイヤや山東菜、日配品売場では沖縄そばの麺など、各売場に地元商品が差し込まれている。

地元商品の「沖縄そば」
地元商品の「沖縄そば」

 地元商品でとくに売れ行きがよいのが、ローソンのPB「ローソンセレクト」の沖縄限定商品だ。前述したように、サンエーはローソンのFC運営を行っており、12年からはローソンのPBをサンエーの店舗でも販売し始めた。13年からは沖縄県内のメーカーと共同開発した限定商品の販売を開始し、現在は約50アイテムをサンエー・ローソンの各店舗で販売している。

 海藻の一種で味噌汁の具材などに使われる「沖縄産あおさ」(198円)や、温めてご飯にかけるだけの「タコライス」(179円、2食分)、味噌を豚のラードで炒めたもので、おにぎりの具材などに使われる「あぐー豚入りあんだんすー」(198円)など、沖縄県を代表する食材や料理を中心としたラインアップとなっている。

ローソンセレクトの沖縄限定商品は、サンエーとローソンが沖縄県内のメーカーと共同開発している
ローソンセレクトの沖縄限定商品は、サンエーとローソンが沖縄県内のメーカーと共同開発している

総菜売場では精肉部門・鮮魚部門が開発した商品を集積!

 そのほか、食品売場でとくに力を入れたのは総菜だ。サンエーでは、既存店で精肉・鮮魚の両部門が開発した総菜をそれぞれの売場で販売していたが、サンエーパルコシティでは「ミートデリ」「フィッシュデリ」として肉総菜・魚総菜を集積し、総菜売場で展開している。総菜売場と連動させる形で販売することによりお客が買い回りしやすいようになったことで、既存店よりも売れ行きがよいという。

総菜売場で展開する「ミートデリ」のコーナー(この裏側では「フィッシュデリ」を展開)
総菜売場で展開する「ミートデリ」のコーナー(この裏側では「フィッシュデリ」を展開)

 また、サンエーの総菜売場としては全店で初めてオープンキッチンを採用。製造過程をお客に見えるようにすることで安全・安心を訴求している。また、沖縄料理は「結丸(ゆいまる)」、中華料理は「燦彩(さんさい)ダイニング」のようにカテゴリーごとに屋号を掲げることで専門性を打ち出しているのも特徴だ。

 このような取り組みにより、サンエーパルコシティの食品売場における総菜の売上高構成比は既存店よりも2%ほど高くなっているという。

 サンエーパルコシティの周辺では、25年に返還予定の米軍基地「キャンプキンザー」が住宅地として再開発される予定だ。また、そのすぐそばではリゾート開発が進められるなど、商圏内で地元住民・観光客両方の増加が見込まれている。このような恵まれた事業環境のなか、サンエー直営の食品売場では一つ一つの商品や売場づくりの検証を進め、適正化をさらに進めていく考えだ。

 

「ダイヤモンド・チェーンストア」2020年2月1日号では、サンエー浦添西海岸PARCO CITYの詳細をレポートする予定です。お楽しみに!

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記事執筆者

松尾 友幸 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

1992年1月、福岡県久留米市生まれ。翻訳会社勤務を経て、2019年4月、株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。流通・小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属。主に食品スーパーや総合スーパー、ディスカウントストアなど食品小売業の記者・編集者として記事の執筆・編集に携わる。趣味は旅行で、コロナ前は国内外問わずさまざまな場所を訪れている。学生時代はイタリア・トリノに約1年間留学していた。最近は体重の増加が気になっているが、運動する気にはなかなかなれない。

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