田川店最速レポート トライアルの最新スマートストアは何がスゴイのか? 年明け「重量センサー付レジカート」登場へ

小野 貴之 (ダイヤモンド・チェーンストアオンライン 副編集長)
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福岡・佐賀の全57店舗をスマートストア化!

 内山氏によれば、スマートストア1号店であるアイランドシティ店では、すでにお客の45%がレジカートを利用して買物をしており、大型店の新宮店でも利用率は30%に上るという。田川店でも利用率40%を当面の目標とし、お客に利用を促していく方針だ。

 トライアルは来年2月をめどに、重量センサーを備えた新型レジカートの導入を始めるという。新型レジカートでは、お客がスキャンした商品の重量がマスターに登録されている重量と一致しない場合にアラートを飛ばす機能が実装される予定で、これにより専用レーンでの従業員のチェック作業が大幅に軽減されると見込まれる。

年明けから重量センサーを設けた新型レジカートが登場するという(写真は田川店のレジカート)

 さらにトライアルは今後約2年間で福岡・佐賀で展開する57店舗すべてをスマートストアに転換する方針を打ち出している。「トライアルのドミナントエリアにある店、かつSuC業態の店舗を優先的に転換していく」(内山氏)。今後新規出店する店舗もすべてスマートストアとなる見通しだ。

 いよいよ本格化したトライアルのスマートストア展開。トライアルは全国248店舗(19年11月27日時点)の店舗網を持つ。福岡・佐賀エリアでのスマートストア化がある程度進めば、関西・中部・関東でもスタートする可能性は十分に考えられる。

 食品小売業界はここ数年で一気にセミセルフレジが普及しており、昨今の人手不足の事情を踏まえると、レジカートをはじめとしたスマートストア技術がいつの間にか食品スーパーのスタンダードになるかもしれない。先進的な技術を積極導入するトライアルの取り組みを“対岸の火事”と眺めているわけにもいかなそうだ。

(店舗概要)
店名 スーパーセンタートライアル田川店
オープン日 2019年11月27日
営業時間 24時間
店舗面積 約1500坪
売場面積 約1300坪
年商目標 43億円
従業員数 正社員20人、パート・アルバイト110人(8時間換算)
取り扱いアイテム数 約5万SKU
レジ台数 レジカート専用ゲート2レーン
セミセルフレジ12台(精算機15台)
イートイン席数 24席

記事執筆者

小野 貴之 / ダイヤモンド・チェーンストアオンライン 副編集長

静岡県榛原郡吉田町出身。インターネット広告の営業、建設・土木系の業界紙記者などを経て、2016年1月にダイヤモンド・リテイルメディア(旧ダイヤモンド・フリードマン社)入社。「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属し、小売企業全般を取材。とくに興味がある分野は、EC、ネットスーパー、M&A、決算分析、ペイメント、SDGsなど。趣味は飲酒とSF小説、カメラ

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