東急ストアが挑戦する駅ナカ「超小型スーパー」、成功の条件とは?

雪元 史章 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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成功のカギは利便性と話題性のバランス

 今回の新業態開発のねらいについて東急ストアの担当者は、「いろんな引き出しを持ちたい」と語る。「当社は駅前立地の店を多く持っているが、(駅ナカという)引き出しを増やすことで、出店余地を広げることができる」(同)。東急ストアが主戦場とする都内では出店用地の確保がいちだんと難しくなっており、他社との競争も激化している。そんなかで駅ナカ立地の超小型スーパーというフォーマットを確立できれば、新たな成長エンジンとして出店スピードを加速することができるのは確かだろう。

 ただ、確固としたフォーマットづくりには時間も要しそうだ。実際、駅改札内への出店は初めてということもあり、「品揃えについてはギリギリまで修正を重ねた」(開発担当者)という。

 カギとなるのは、「利便性」と「話題性」のバランスをどのように保つかということだろう。利便性に偏ればコンビニとの差別化が難しくなり、話題性に偏ればふだん使いしにくい立ち位置の不明瞭な店になってしまう。東急ストアは今後の利用動向を細かく分析しながら、フォーマット確立をめざす方針だ。

 

■店舗概要

店舗名 東急ストア フードステーションミニ二子玉川駅構内店
住所 東京都世田谷区玉川2-22-13 二子玉川駅構内
売場面積 162㎡
営業時間 7:00~22:00
年商目標 2億6000万円
従業員数 14人(社員1人、パート・アルバイト13人)

 

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記事執筆者

雪元 史章 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

上智大学外国語学部(スペイン語専攻)卒業後、運輸・交通系の出版社を経て2016年ダイヤモンド・フリードマン社(現 ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。企業特集(直近では大創産業、クスリのアオキ、トライアルカンパニー、万代など)、エリア調査・ストアコンパリゾン、ドラッグストアの食品戦略、海外小売市場などを主に担当。趣味は無計画な旅行、サウナ、キャンプ。好きな食べ物はケバブとスペイン料理。全都道府県を2回以上訪問(宿泊)。

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