渋谷スクランブルスクエアに紀ノ國屋が出店、流行の中心地で新しい客層を取り込めるか

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 齋藤綾奈
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総菜・ベーカリーの見栄えをよくし、刺さる商品を展開

ひとくち寿司セット
ひとくち寿司セット(税込842円)

 ここからは売場をみていく。まずベーカリーでは、店内で焼く「おいしいしょくぱん」、前述の「バブカ」などの目玉商品を展開したり、東京都三鷹市にある自社工場でつくった「かつサンド」を平台に並べたりしている。

 総菜売場では、出勤前のビジネスパーソンの昼食需要を想定し、「紀ノ国屋 10種類のおかずとそぼろごはんセット」、「紀ノ国屋のシェフが仕上げたハンバーグ丼」、「極旨だしのさっぱりフォー」というように弁当、丼物、麺類などを豊富に揃えている。また、外国人観光客を意識し、盛り付けや食べやすさにこだわった自家製「ひとくち寿司セット」や「ばらちらし」のほか、「サーモン丼親子どんぶり」「うなぎ重」といった丼物も揃えている。
 そのほか、イートインスペースでお酒を飲む際の同時購入を見込み、「濃厚バター鱈」「焼きチーズサラミ」など小容量のおつまみパックを集めたコーナーを展開している。

 

「おいしいしょくぱん」
「おいしいしょくぱん」(1本2斤税込777円)

 生鮮3品の売場でも即食・簡便を切り口とした商品が多く見られる。青果売場ではぶどうやパイナップルなどカットフルーツや、「五色のサラダ」、「ミックスサラダ」、「イタリアンサラダ」といったサラダ類が棚の大部分を占めている。精肉・鮮魚売場では、ハムやソーセージといった加工品や、真空パックに入った切身魚などを揃えている。
 また健康志向のお客向けに抗酸化作用をもったメディカルハーブを使用した「メディカルハーブティー」のコーナーを設けたり、バイヤーが世界各地から仕入れた缶詰を揃えたりするなど、他店には並ばない商品を販売している。

 

紀ノ國屋ブランドを新しい客層に発信できるか

  「渋谷スクランブルスクエア店」は、若年層が集まり、文化や流行の発信地である渋谷への出店であるため、紀ノ國屋の従来の顧客層以外からも紀ノ國屋ブランドを認知してもらうというねらいがある。カフェ&バーを新設したほか、店内ベーカリーでは限定商品を展開している。流行を取り入れた商品を販売して、新たな客層を取り込み、紀ノ國屋のブランドをアピールしたいという。若年層、駅利用者、渋谷スクランブルスクエアの上層階に勤務する人をメーンターゲットとし、日商500万円をめざす。

 「多様な文化が混じり合う渋谷の中心から、その時々の『旬』なモノ・コト・トキを発信していく」という、「渋谷スクランブルスクエア」の方針に紀ノ國屋としても付いていくことができるかがカギとなる。流行の変化に対応し、新商品を販売していくことが求められそうだ。

店名 「Gourmand Market KINOKUNIYA 渋谷スクランブルスクエア店」
所在地 東京都渋谷区2-24-12 渋谷スクランブルスクエア 地下1階
開店日 11月1日(金)
営業時間 食品物販10:00~21:00 ベーカリー、デリ、カフェ&バー 9:00~21:00
売場面積 約136.79坪(約452.2㎡)
日商目標 500万円 
取り扱いアイテム数 5105SKU
イートイン座席 40席
従業員77人(正社員11人、パートナー66人 )

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