従業員トレーニングのために、「ストアツアー」が効果的な理由とそのやり方

2019/06/28 05:06
    成田直人
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    店内ツアーを開こう
    STEP2 店内全商品の把握
    STEP3 他部門の知識向上

     

     続いてSTEP2店内全商品の把握とSTEP3他部門知識の向上です。ここでは2つのSTEPを一緒に説明します。

     私のクライアント先では、STEP1の後に、担当部門以外の商品がどこにあるかを100%把握することを指導します。私は100円均一ショップが好きなのですが、DAISOに行って、店員さんに「すみません、○○はどこですか?」と聞いてみてください。誰一人いやな顔をせず、目的の商品に向かって、迷うことなくたどり着き、あなたの欲しい商品の目の前まで案内してくれます。尊敬に値するプロフェッショナルです。きっとあなたの店は、大型の100円均一ショップと匹敵するくらいの商品があることでしょう。今までスタッフによっては一度も使ったことがない、あるいは触れたことがない商品も多々あると思います。ここでぜひ取り組んでいただきたいのは店内ツアーを開くことです。

     私がカー用品店で実際に取り組んだことを紹介しましょう。カー用品店は各カテゴリーに販売員がいます。この際、お客さまは目的の商品が見つからなければ近くにいる店員に声をかけます。そこで全スタッフが目的の商品の案内ができるようにするために、店内ツアーをはじめたのです。毎日ツアースケジュールが組まれていて、自信の無い売場のツアーがあれば最優先で参加することができます。そこではカテゴリーマスター(主任)が商品一つ一つの使い方をレクチャーしてくれます。どこに何があるかがわかるだけではなく、知識も習得できるので記憶力がアップします。何に使うかわからない商品のある場所をレクチャー受けてもお客さまは商品名で聞いてくるとは限りません。中には、「こんなやつ、あんなことに使うやつ」と用途をベースに質問をしてくるお客さまもいます。これでは商品の場所がわかっても案内することができません。しかもこのツアーは、何度も参加することができるので、自信がつくまで学習することができます。この手法は効果てきめんで、スタッフの商品知識が格段に上がり、店内の商品場所の案内と簡単な商品説明だってできるようになりました。

     これにより主任クラスの人がアルバイト・パートに時間を奪われることもなくなり、売上向上のためのアイデア作りや採用・教育にますます時間をとれるようになる好循環を手に入れることができました。ぜひあなたの店でもツアーを実施してきましょう。

     次回も、今回の続きを紹介します。お楽しみに!

     

    なりた・なおと
    19歳でABCマートアルバイト個人売上日本一を獲得。マネージャーになり昨年度対比1位、2位の原動力となる。その後、PC専門店PCデポに入社し、7ヶ月で個人売上1億円を達成。翌年、「良い」よりも「成果が出る」をモットーに小売・サービス・飲食業専門コンサルティング会社「株式会社FamilySmile」を創業。現在は、一部上場企業を中心にコンサルティング・研修・講演を手がけ多くの店舗で昨年度対比120%を達成。中には、3年で売上2倍になる店も続出するほどコンサルティングには定評がある。その功績が認められ日本三大褒章の一つ中小企業のノーベル賞と言われる「東久邇宮文化褒章」を受賞。セミナー講師ナンバーワン決定戦「S-1グランプリ」初代グランプリを獲得。

     

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