従業員トレーニングのために、「ストアツアー」が効果的な理由とそのやり方

2019/06/28 05:06
    成田直人
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    こんにちは、成田直人です。前回、具体的なスタッフトレーニングのやり方について、5つのSTEPを紹介した上で、STEP1担当商品知識向上勉強会について、まずは、パートさんに「知識習得=お客さまの役に立つ」というマインドセットをし、業務時間内に勉強してもらうということを説明しました。本日は、その勉強の内容とともに、STEP2店内全商品の把握とSTEP3他部門の知識向上について解説します。 

    DAISOに行き、店員に「○○はどこですか?」と聞けば誰一人いやな顔をせず、目的の商品に向かって道に迷うことなく案内してくれます。皆さんのお店でもできるように店内ツアーを実施しましょう!
    DAISOに行き、店員に「○○はどこですか?」と聞けば誰一人いやな顔をせず、目的の商品に向かって道に迷うことなく案内してくれます。皆さんのお店でもできるように店内ツアーを実施しましょう!

    いますぐできる! スタッフトレーニング

     STEP1の担当商品知識向上勉強会で勉強する内容は、複雑なものではありません。あくまでもスタッフの担当領域ですから、ここでのゴールは明確です。それは、いついかなる時にどんな質問をされても即答できる状態を作る、ということです。お客さまはどこからどんな質問をしてくるかわかりません。この時に該当スタッフが答えられなければあたふたしてしまいます。

     その際、あなたのもとに駆け寄ってきて「店長、お客さまから商品のこと聞かれたのですがわかりません」と相談に来たとします。この時点であなたとスタッフ、二人分の時間が取られてしまいます。商品知識を持っていれば一言(数秒)で終わったことが、二人の貴重な時間を5分ほど消費することになります。これは大きなムダで、しかも避けられるムダです。これでも、「時間がないからトレーニングできない」なんて言えますか?私はクライアント先で、「知識習得が何よりも一番大切」といつも言っていますが、その目的は、「時間効率を上げる」ためなのです。無駄な時間を過ごさなくてもすむように管理するのも店長の手腕なのです。

     結局知識不足のスタッフがいると周りが迷惑します。そして、「もっと勉強すればいいのに」と勉強している人が勉強していないスタッフに不満を持つようになるのです。その結果、スタッフの人間関係も悪化します。これを防ぐためにも、全員が一定水準の知識が持てるようにしなくてはなりません。

     その意味では、新人は特にトレーニングが必要です。なぜならお客さまから聞かれたことを、はじめのうちは、ほぼ100%答えられないからです。優しいお客さまならいいですが、「なんでわからないの?」とあからさまな態度をとられると新人スタッフは深く傷ついてしまいます。その結果、何が起こると思いますか? そうです、離職率が上がります。もう一度言いますが、これでも商品知識を身につけることの優先順位が低くなりますか?

     まずは、スタッフ自身の持ち場の知識習得を最優先にトレーニングをしていきましょう。私は始動時に「テスト」作成することをおすすめしています。なぜなら使い回しができ、毎回同じ話を違うスタッフにしなくてもすむからです。10問テストなど簡単にできそうなところから初めてもいいと思います。商品群Aから10問出題、商品群Bから10問出題と商品カテゴリーに合わせて10問テストを作成するようにしましょう。テストとなると勉強するのがまさに学生時代の習慣の力、皆テストを受けるからにはいい点をとらなくては、と頑張ってくれますのでぜひ試してみてください。冒頭で紹介した終わりのないゴールを目指して(商品入れ替えがあるため)日々知識向上に努めていきましょう。

     

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    従業員向けに店内ツアーを開く狙いとそのメリット

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