食品スーパーとバルが見事に融合 阪急オアシスのキッチン&マーケット2号店は必見だ!

阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
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なぜアルコールを提供しても“平和”なのか!?

2階のドリンクカウンター、生ビールはクラフトビール6種を中心に8タップ用意
2階のドリンクカウンター、生ビールはクラフトビール6種を中心に8タップ用意

 さて2階のキッチン&マーケットゾーンにフォーカスしてみよう。ドラフトビールやハイボールが注文できるドリンクカウンターでは、クラフトビール6種を含め8タップ揃えており、どれも一杯500円(税抜き、以下同)とリーズナブル。焼肉は焼き台が5人分あり、隣接する肉売場で好きな肉を購入(50g~)して、思い思いに楽しむ。

 平日木曜日の夜20時頃に訪問したところ、イートインスペースはほぼ満席。2人組の友人同士やカップル、4~5人のグループ客まで幅広く、主には店内でおつまみとお酒を都度購入して楽しんでいる人が多かった。

筆者が楽しんだ(仕事ですが)、黄金IPA(500円)とイチボのローストビーフ(980円)
筆者が楽しんだ(※仕事です)、黄金IPA(500円)とイチボのローストビーフ(980円)

 お酒が入っているのでおしゃべりする声が多少大きな人もいたが、いたって平和な、ちょっとおしゃれで活気ある飲食店というイメージは終始壊れなかった。客層も良く、小綺麗な身なりをした人やオフィスワーカーがほとんど、夕方にも訪れたが、この時は有閑マダム然とした女性客の2人連れや友人同士などが多かった。これなら、普通にスーパーマーケットとしても買い物しやすいし、ちょっと1杯を楽しむバルとしても、昼夜問わず気軽に使える。

 店の立地環境と店内の雰囲気、バルの作りが結果的にうまい具合に客層をコントロールできているのではないかと思った。この業態は立地を選ぶが、それさえ合致すれば、圧倒的に高い「経験価値」を提供できるため、同質化することのないタイプの店だと言えるだろう。

記事執筆者

阿部 幸治 / ダイヤモンド・チェーンストア編集長

マーケティング会社で商品リニューアルプランを担当後、現ダイヤモンド・リテイルメディア入社。2011年よりダイヤモンド・ホームセンター編集長。18年よりダイヤモンド・チェーンストア編集長(現任)。19年よりダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集長を兼務。マーケティング、海外情報、業態別の戦略等に精通。座右の銘は「初めて見た小売店は、取材依頼する」。マサチューセッツ州立大学経営管理修士(MBA)。趣味はNBA鑑賞と筋トレ

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