マックスバリュ森孝東店が提案する「買い物が楽しい店」の姿とは!?

阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
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マックスバリュ中部(愛知県/鈴木芳知社長)が4月25日にオープンしたマックスバリュ森孝東店。18年4月に改装オープンしたマックスバリュグランド千種若宮大通店のエッセンスも導入した、「買い物が楽しいお店」を掲げる新店舗である。同店の最新の売場づくりを解説したい(4月末に訪問、文中の価格は全て税抜き)。

マックスバリュ森孝東店は、清水屋藤が丘店の地下1階に居抜き出店した
マックスバリュ森孝東店は、清水屋藤が丘店の地下1階に居抜き出店した

 

「買い物が楽しい店」標榜する1610㎡の食品スーパー

 マックスバリュ中部は近年、名古屋圏の都市型の店舗において、五感に訴えかける、食の提案を行う売場づくりを強めている。その最新店舗がマックスバリュ森孝東店である。

 マックスバリュ森孝東店の売場面積は1610㎡。名古屋市内から地下鉄で30分弱、東山線の終点「藤が丘」駅から北へ約1kmの距離にある。店舗は、総合スーパーの清水屋藤ヶ丘店の地下1階にある。清水屋藤ヶ丘の店舗面積は約15000㎡で、テナントを多数導入したショッピングセンターである。

 周辺は、ベットタウンとして年々人口・世帯数が増加しており、若いファミリー層が多い地域である。2017年度の東山線と愛知高速鉄道「藤が丘」駅の1日の乗降客は約5万人で、いずれの路線も、乗降客は毎年着実に増えている。

 マックスバリュ森孝東店は「買い物が楽しい店」を標榜する同社の最新店舗。藤が丘駅前に、やや小ぶりで品揃えが標準的なマックスバリュ藤が丘店があるので、こちらと差別化する狙いもあるのだろう。 さて、マックスバリュ森孝東店の売場づくりを見ていこう。地下1階はマツモトキヨシとともにフロアを形成する。

マックスバリュ森孝東店レイアウト
マックスバリュ森孝東店レイアウト

 マックスバリュの売場トップは青果と花、インストラベーカリーで構成。青果売場では旬の青果物に加えて地場野菜の扱いを強化しており、オーガニック商品もコーナー化して、健康的な食を提案する。訪問日はタイフェアを実施中で、タイ産のマンゴー、ヤングココナッツ、ドリアンなどを販売していた(既存他店でも実施中)。

 青果の左側側面の冷ケースでは和日配売場を展開。“買い物が楽しい店”として特に品揃えを強化しているのが豆腐売場。品質にこだわった豆腐から、豆腐から派生した珍しい商品まで幅広く品揃えするのが特徴で、後者は相模屋といしかわの2社の商品が基本だ。豆腐から作った杏仁豆腐やマンゴープリン、ラテ風に仕立てた豆乳ドリンクのTOFU latteシリーズ、BEYOND TOFUなど一通り品揃えし、売場も広くとる。こうした商品は引き続き維持できるかに注目だ。

 メーンコンコースは、青果の先が鮮魚売場。対面販売で丸物をお客の要望に合わせて加工する。丸物の魚種は豊富で、赤舌平目(500)や養殖あゆ(198円)、北国赤エビ(1盛398円)、さごし(500円)、きんき(298円)、ほうぼう(698円)などなどだ。調理加工は10時から18時まで対応し、無料で承る。

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賑わいと非日常も提供する鮮魚、精肉、総菜

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記事執筆者

阿部 幸治 / ダイヤモンド・チェーンストア編集長

マーケティング会社で商品リニューアルプランを担当後、現ダイヤモンド・リテイルメディア入社。2011年よりダイヤモンド・ホームセンター編集長。18年よりダイヤモンド・チェーンストア編集長(現任)。19年よりダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集長を兼務。マーケティング、海外情報、業態別の戦略等に精通。座右の銘は「初めて見た小売店は、取材依頼する」。マサチューセッツ州立大学経営管理修士(MBA)。趣味はNBA鑑賞と筋トレ

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