アルペンのアウトドア専門店が大成功している理由

取材・文:高浦佑介 (ダイヤモンド・ホームセンター編集長)
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SNSでも話題に!
体験型のアウトドアショップ

スノーピークカフェ
店舗外のガーデンエリアにはスノーピークカフェを展開。世界的建築家の隈研吾氏がプロデュースした

 2300坪という世界最大規模の売場面積で、450のブランド、10万点を品揃え。

 この数字を聞いただけでも「すごそう」な感じである。しかし実際に店舗を見ると、これまでのアルペンの店舗だけでなく、他社のアウトドア専門店とも一線を画していることが一目瞭然だ。

 驚きは店内に入る前から始まる。店舗の外に広がるガーデンエリアには、アウトドア用品メーカーのスノーピーク(新潟県/山井太社長)が手掛ける「Snow Peak Cafe」を展開。デザインは世界的建築家である隈研吾氏が担当した。さらに、店内で販売している商品を使った「バーベキュー・グリル実演会」や「くんせい作り実演会」も行い、実際に商品を試すことができる。

バーベキュー実演会
店内の商品を使って、バーベキューの実演会も行っている

 ワクワクした気持ちで店内に入ると、アウトドアの世界観に圧倒される。木目調の什器にブラックを基調とした空間が広がる。1階にある80坪の「ウッドデッキ」コーナーには、約10針のテントが張られており、チェアやバーベキューセット、ランタンなどの商品を組み合わせ、実際のキャンプシーンを想起させている。テントの設営が体験できるスペースもある。

 ほかにも、2階、3階には子供が遊べるキッズコーナー、アウトドアトイを体験できるゾーン、3Dの足型分析マシンなどを導入している。

キッズスペース
子供が遊べるキッズスペースも充実させている
3D足型測定器
アルペンは初めて3D足型測定器を店内に設置。測定された足型に合う商品を表示する

 まさに、モノを売っているだけでなく、「体験」できる場所となっている。SNSには「今日は雨でキャンプに行けないから、アルペンアウトドアーズに行く」という書き込みがあったと二十軒氏は紹介した。

 アルペンは今後も、アウトドア業態の出店を急ぐ。同社の水野敦之社長は、「アウトドアを一過性のブームではなく、文化にしていきたい」と抱負を語った。

取材・文

高浦佑介 / ダイヤモンド・ホームセンター編集長

2010年東京大学文学部卒業、12年同大学院修士課程(社会心理学)修了。14年ダイヤモンド・リテイルメディア入社。『ダイヤモンド・チェーンストア』誌の編集・記者を経て、19年4月より現職。

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