300坪型の夜間無人レジ店舗の小型スマートストアをオープン。スマホアプリもリリース。
トライアルカンパニー(福岡県/石橋亮太社長)は2018年12月13日、約300坪のスマートストアの新業態「トライアルQuick(クイック)大野城店」をオープンした。これまで福岡県、佐賀県でスマートストアを2店舗展開してきたが、既存のスマートストアとどのような違いがあるのか。
スマートストアとは
無人店舗や、セルフレジ、ID-POSなど、ITを活用して省人化、高効率化を図るストアのこと。米アマゾンが運営するアマゾン・ゴー等が有名だが、国内でも実証実験を行う店舗が増えている。
2018年2月にIT・IOTを駆使したスマートストアオープン
2018年2月にAI、IoTを駆使したスマートストア「スーパーセンタートライアルアイランドシティ店」(福岡県福岡市)をオープンしたトライアルカンパニー。アイランドシティ店では、AIカメラによる購買前の行動データの分析や、タブレット付きレジカートで利用者の購買履歴に基づいたクーポンの発行、レジが不要なウォークスルー型の決済システムを可能にしたことで業界の注目を浴びた。
9月にはアイランドシティ店をバージョンアップさせたスマートストア2号店「スーパーセンタートライアル鹿島店」(佐賀県鹿島市)をオープン。アイランドシティ店の機能に加えて、店内に100台以上のデジタルサイネージを設置しているのが特徴だ。AIカメラやビーコンと組み合わせることで、買物客の属性や購買履歴にマッチした商品をサイネージで宣伝するなど、リアル店舗ならではの購買意欲を掻き立てる店舗をめざす(18年12月時点では実験中)。
スマートストアの新業態「クイック」を福岡県大野城市でオープン。19年に10~20店舗出店
そして今回、福岡県大野城市にオープンしたのが新業態「クイック」の大野城店だ。「アイランドシティ店、鹿島店をさらに進化させたスマートストアの新業態」とトライアルカンパニーの楢木野仁司会長は大野城店を位置づけている。
アイランドシティ店、鹿島店はそれぞれ1000坪タイプのスーパーセンター(SuC)だが、大野城店は286坪。これまでのSuC型のスマートストアとコンセプトも異なる点が多い。
「これまでメーンで出店してきたSuCの出店余地が少なくなっている。1~2km圏内に1万人以上が居住するエリアに300坪のクイック業態を出店していきたい」(楢木野会長)。大野城店が想定どおり行けば、都市部を中心に、19年にクイック業態を10~20店舗出店する計画だ。
「家事の時間を節約する」をコンセプトにしたクイック業態は食品中心の品揃えで、トライアルカンパニーとして10年ぶりとなる生鮮3品と総菜をフルインストア加工で揃えている。働く女性をターゲットに、簡便商材や即食商材を厚く品揃えしているのも特徴だ。イートインスペースも約20席設けている。