「ロピア ららぽーと堺店」が開業! “ららぽーと”との蜜月はより強固に、そして海も越える?

雪元 史章 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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「ららぽーと」と「ロピア」の蜜月関係の今後は…

 限られた人数が対象の平日のプレオープン期間ではあったが、盛況ぶりを見るに、ららぽーととロピアのタッグの強さは不変といったところだろう。

 ただ、運営元の三井不動産は23年4月に大阪府門真市に、「ららぽーと門真」と「三井アウトレットパーク大阪門真」からなる初めての2業態複合型商業施設を開設するが、ららぽーと門真にはライフコーポレーション(大阪府)が「セントラルスクエア」のブランドで出店予定。商圏特性や施設コンセプトに合わせて、食品スーパーのテナントは柔軟に使い分けるようである。

 他方、ららぽーととロピアを並べたときに図らずも想起されるのが、「台湾」という地である。三井不動産は21年に海外初のららぽーとを上海に開業、今年1月にはマレーシアのクアラルンプールにも進出するなど海外戦略を強く推進している。そして23年以降は台湾で連続開業する予定で、台中(23年)、台北(同)、高雄(26年)と、台湾の主要都市を着実に押さえていくかのような動きを見せる。

 一方のロピアも、台湾に現地事務所を開設しており、進出に向けて準備を進めているとみられる。ロピアにとっては初めての海外進出であるだけに、コネクションやノウハウがないなかで試行錯誤している部分もあるはず。となれば、同じく台湾市場の開拓を推し進めているららぽーとと”合流”することに違和感はない。今のところロピアの台湾での出店について詳細は明らかになっていないが、前出の広川氏の発言のように、少なくとも「2社のエリア戦略が合致」していることは確かだ。

 今後ららぽーととロピアの”蜜月関係”がどのように進展するのか、海をも越えることになるのか――。大阪・堺での出店は意外にも、近い将来起こり得る何らかの事象を暗示する出来事なのかもしれない。

 

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記事執筆者

雪元 史章 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

上智大学外国語学部(スペイン語専攻)卒業後、運輸・交通系の出版社を経て2016年ダイヤモンド・フリードマン社(現 ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。企業特集(直近では大創産業、クスリのアオキ、トライアルカンパニー、万代など)、エリア調査・ストアコンパリゾン、ドラッグストアの食品戦略、海外小売市場などを主に担当。趣味は無計画な旅行、サウナ、キャンプ。好きな食べ物はケバブとスペイン料理。全都道府県を2回以上訪問(宿泊)。

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