学生が仕入れて販売するセレクトショップを中川政七商店と三菱地所が始めた理由とねらい

2022/09/27 05:55
    西岡克(フリーランス)
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    第1弾は九州・沖縄の地域商品を展開

    アナザー・ジャパン店内
    「アナザー・ジャパン」の店内。酒や調味料、食器、食品、インテリア、アクセサリーなど約350点がラインアップされている(撮影:西岡潔)

     第1弾は「アナザー・キュウシュウ」として、102日まで九州・沖縄地域の商品約350点を販売する。店内には飲食店企業が運営するカフェも併設している。

     アナザー・キュウシュウでは学生3人の故郷での実体験から着想を得て、テーマを「宴」と設定。「キュウシュウという宴が、あなたを待ってる。」をコンセプトに定めた。さらに宴を7つのシーンに分類し、それぞれに合う商品を店内の陳列棚に配置した。

     7つのシーンと展開商品は①乾杯(各地の酒や酒器、つまみや調味料など)、②宴席(大分、福岡、佐賀、沖縄4産地の特色ある器など)、③彩り(お香や風鈴など、宴の時間・空間を五感で楽しむ品)、④装い(宴に出掛けるときの華やかなアクセサリーや洋服)、⑤お祭り(下駄や花火、郷土玩具など夏の宴を盛り上げる品)、⑥贈り物(有田焼のカップ酒や点字レターセット)、⑦余韻(お茶や菓子で宴を締める場面をイメージした品)―となっている。

     店内では「あなたの宴を選びます」と銘打って、客の相談に乗り、ニーズに合った商品を提案する。試食販売や実演販売も実施。週末には有料の参加費を徴収し、佐賀県神埼市に伝わる素焼きの人形である尾崎人形の絵付け体験や大分県別府市の竹細工の工作体験といったワークショップも開く。

     アナザー・キュウシュウ終了後、客と学生が実際に九州を旅行する「宴の旅」と名付けた現地ツアーも企画しているという。

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