良品計画のESGの取り組みを具現化した旗艦店・MUJI 新宿、得られた大きな成果とは

棚橋 慶次
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改装の成果と今後の課題は?

 リニューアルオープンから半年が経過し(取材は22年3月に実施)、改装のねらいである両店の位置づけ明確化、ターゲットの棲み分けなどは一定の成果を得ているようだ。

 その中でもとくに大きな収穫となったのが、新規客の獲得だ。

 「従来の無印良品は、仕事帰りに立ち寄ったり、ショッピングセンターあるいは近隣の店舗で買物をするついでに来店するという利用が中心となっているが、MUJI新宿では良品計画の企業理念や店舗コンセプトに共感して、遠方から訪れる顧客も多い」(MUJI新宿店長の永戸順也氏)。従来の無印良品には少なかった30~40代の男性客も増えているとのことだ。

MUJI新宿店長の永戸順也氏

 開始当初は低かったフードドライブの認知度も高まっており、現在はフードドライブの利用者が、「ReMUJI」で買物をしていくといった、売場同士の相乗効果も見られているという。無印良品 新宿との棲み分けも順調で、相互送客も進んでいるようだ。

 「リユース」「リサイクル」「リペアー」がコンセプトの店舗と聞くと、どうしても面白みのない店を想像しがちだが、MUJI 新宿ではコンセプトを体現した商品・サービスを提供し、それらが相互に作用することで、お客を呼び込んでいる。

 とはいえ、MUJI 新宿の試みはまだ始まったばかりだ。今後は「あまり手をつけられていないプラスチックの回収やリユースなどが課題として残っている」(永戸店長)。新コンセプトのMUJI 新宿は次にどんな取り組みを見せてくれるのか。今後も注目したい店舗だ。

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