広島に登場した世界最大の無印良品で初導入した新たな取り組みとは

取材・文:松尾 友幸 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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アルパーク西棟(大和ハウス工業)

アルパーク西棟(大和ハウス工業)

〒733-0841 広島県広島市西区井口明神1-16-1
電話:082-501-1000
JR山陽本線「新井口」駅より徒歩3分

大和ハウス工業(大阪府/芳井敬一社長)は2022年4月22日、広島県広島市の大規模商業施設「アルパーク」の西棟をリニューアルオープンした。百貨店を中心としたテナント構成から一転、継続した利用が見込まれる店舗を中心に誘致するほか、「無印良品」をはじめ、各テナント最大規模の店舗も数多く入居している。

持続的な発展をめざすテナント構成

無印良品広島アルパーク山口学司店長
無印良品広島アルパーク山口学司店長
「世界最大の店舗として地域のみなさまとのつながりを深め、ともに店舗づくりを行っていきます」

 アルパークの歴史は今から30年以上前の1990年4月に遡る。当時広島県最大の商業施設として三井不動産(東京都/菰田正信社長)が開業した。アルパークは今回改装した西棟のほか、東棟、北棟の3つの建物で構成されるが(南棟は駐車場)、2019年5月に大和ハウス工業が西棟と東棟を取得。20年4月に改装工事に着手し、21年12月には東棟の一部が先行リニューアルオープンしていた。

 今回の西棟のリニューアルでは、良品計画(東京都/堂前宣夫社長)として世界最大規模の「無印良品」をはじめ、各テナント最大級の店舗を多く導入した。ルームウエア専門店「チュチュアンナグランデ」は通常店舗の約2倍の規模で中国地方最大、子供用品の「西松屋チェーン」、100円ショップ「ダイソー」は広島県最大級の店舗だ。また、アウトドアとアパレルを融合した「Alpen Outdoors」など中国地方・広島県初出店の業態も多く誘致した。さらに、地域の日常生活の食を支えるべく、地場食品スーパー(SM)フレスタ(広島県/谷本満社長)の新たな旗艦店も入居。計19店舗が軒を連ねる。

 このようなテナント構成でアルパークがめざすのが「持続可能な発展」だ。以前、西棟には百貨店の「天満屋」が入居していたが、消費者のライフスタイルの変化や、「ゆめタウン広島」「LECT」のような大型商業施設出店による競争激化などを背景に撤退。今回の改装では、30~40代のファミリー層を中心に、地域住民に長く利用される地域のインフラをめざす。「地域初出店のテナントもあり目新しさが目立つ部分もあるが、基本的にはコロナ禍でも着実に支持を高めてきた業態ばかりだ。一時のトレンドを追うのではなく、持続的に利用していただけるようなテナント構成をめざした」(大和ハウス工業流通店舗事業本部SC事業部事業部長の増田尚嘉氏)。

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 ここからは、アルパーク西棟の代表的なテナントとして「無印良品広島アルパーク」と「フレスタアルパーク店」を解説する。

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取材・文

松尾 友幸 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

1992年1月、福岡県久留米市生まれ。翻訳会社勤務を経て、2019年4月、株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。流通・小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属。主に食品スーパーや総合スーパー、ディスカウントストアなど食品小売業の記者・編集者として記事の執筆・編集に携わる。趣味は旅行で、コロナ前は国内外問わずさまざまな場所を訪れている。学生時代はイタリア・トリノに約1年間留学していた。最近は体重の増加が気になっているが、運動する気にはなかなかなれない。

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