マミープラス、クルベにライフまで! 低価格弁当の新トレンドは?
主菜1品のみ! 割り切って低価格に
ベルク(埼玉県)が運営するディスカウントモデル「クルベ」には、199円の弁当シリーズがあります。この価格を実現した明確な工夫の一つが、白米に合わせるおかずが「シュウマイだけ」、または「唐揚げだけ」といった具合に、主菜1品に絞り込んだ商品設計です。これなら原価はもとより、製造の手間も簡略化できそうです。

クルベはディスカウントならではの割り切りで目を惹く価格を実現しましたが、このような主菜1品に絞り込む手法をライフコーポレーション(大阪府:以下、ライフ)も採用したことには意外な印象を受けました。
ライフが今期の新店から始めた「だけ弁当」シリーズは、本体価格を398円に設定しています。白米にブランド米を使用するといった品質訴求も行なっており、決して低価格だけを追求した商品ではありません。とはいえ、高価格帯の商品開発を意欲的に進めてきた同社のラインアップの中では、異彩を放つ新しい選択肢です。

「だけ弁当シリーズ」は、白米の上に主菜を乗せています。3月オープンの「ライフminanoba相模原店」(神奈川県相模原市)では、「あじフライだけ弁当」「北海道産あまに豚入りコロッケだけ弁当」といった商品のほか、「ポークフランクだけ弁当」「とろ~りたこ焼きだけ弁当」など、関東では斬新な(?)組み合わせも見られました。また、同商品は量目を抑えられているのも特徴です。
主菜1品のみ弁当は、いわば「1食完結」をめざさない割り切った商品です。これはスーパーマーケットだからこそ可能なものかもしれません。先にも触れたように、足りない量や栄養素は、同じ店頭にあるほかの商品で補ってもらえば済むからです。
それも即食から素材まで、加工食品だって3温度帯で揃えており、顧客は家のストックも踏まえてさまざまな組み合わせが可能です。このように取り扱い商品の幅の広さを背景に、インストア加工で商品化することの柔軟性も相まって、インフレ局面でもスーパーマーケットの総菜はデフレ時代と変わらない下限価格を残せています。





食品小売バイヤー55人が答える2024年と25年の商品政策!粗利確保、差別化策で変化が!