あなたの店は「盆弱」か「盆強」か? 青果売場の盆商戦はこう戦う!
いよいよ盆商戦が近づいてきた。食品スーパー(SM)の青果売場では果物が売れ筋となるが、ただ漫然と商品を並べているだけでは売上最大化にはつながらない。むしろ戦略を誤ると、売上を例年よりも落としてしまう可能性すらある。
盆商戦の売場づくりの要点を、このタイミングであらためて解説しておこう。
お盆の生活シーンには地域差がある
お盆は一部の地域を除き8月13日~16日(東京など新盆地域は7月13日~16日)までの4日間が一般的だ。お盆とは先祖の霊を自宅に迎え入れ、供養する行事のことである。しかし実際に人々が何をしているのかを理解しているSM関係者はほとんどいないのではないか。
私が大手SMにいた頃は、仏壇の写真を用意して、花や果物をどこに供えるか、キュウリやナスに足を生やした精霊(しょうりょう)馬はどう飾るのかなど、具体的な内容の勉強会を開いていた。
このようにお盆という行事の根本を理解しないまま販売計画を立案すると、お客のニーズとの間にずれが生じる。なおかつお盆は地域によって習慣や過ごし方が大きく異なる。したがって、自店の商圏のお盆の生活シーンをしっかりととらえ、伝統的なお盆の行事を学ぶことが、盆商戦に臨むうえでの大前提である。そのなかから自店では何をやるかを考えるべきだ。
注意すべきなのは、地方部などお盆の伝統が色濃く、関連ニーズが大きい地域(筆者は「盆強」と呼ぶ)と、東京をはじめとする都市部などお盆関連のニーズが少ない地域(同「盆弱」)では、お客のニーズがまったく異なることだ。だから自店の商圏が「盆強」か「盆弱」かを把握したうえで、売場づくりをすることが大前提になる。

盆強エリアでは「おもてなし」をMDの軸に
盆計画を作成するには「お迎え用」「盆準備」「盆行事」の3つのテーマで整理する。
それぞれのテーマ別ニーズが店舗により大きく異なるため、盆の生活シーンを理解せずに売場づくりをするとお客から信頼されない店になってしまう。
まず、盆強地域の最大の特徴は