ロピアVSトライアルVSカネスエ ディスカウンターの進出続く浜松エリアを徹底調査! 

調査・文:紙谷 佳伸(紙谷コンサルティング事務所代表)
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静岡県浜松市に「安さ」を武器とする食品小売の出店が相次いでいる。2024年11月26日に「ロピア浜松プラザフレスポ店」、その翌日に「スーパーセンタートライアル浜松若林店」が開店。3年前には、愛知県地盤のディスカウントスーパーであるカネスエ(牛田彰代表)が1号店「カネスエザザシティ店」を出店し、今年4月30日には3号店となる「浜松中郡店」をオープン予定だ。

にわかに競争が激化した浜松エリアで、これら3つのディスカウントチェーンがどのような商品政策で地元顧客の支持を獲得しようとしているか、実際に店舗を調査し、考察してみた。

※調査日:2025年3月28~29日 本文中の価格はすべて本体価格

トライアル浜松若林店

1000坪超えの大型店、生鮮の品揃えは圧倒的

 トライアル浜松若林店は「浜松」駅から南西方向に3.2㎞、クルマで10分程度の距離にある。24時間営業で駐車台数は178台。大店立地法の届け出では、店舗面積は3 6 4 4㎡(1104坪)で、高い天井のもと食品と非食品が売場中央で2つに分かれたワンフロアの単独店となっている。

スーパーセンタートライアル浜松若林店外観
スーパーセンタートライアル浜松若林店
●開店日: 2024年11月27日
●所在地: 静岡県浜松市中央区若林町400-1
●営業時間: 24時間営業

 青果部門は、主通路中央にある3つの平台が売上の中心となる売場構成。旬とお買い得商品を前面に打ち出す売場づくりで、カラーコントロールを上手に活用した陳列で基本が徹底されている。

 鮮魚全般は、テナントの「魚雄」が運営。ディスカウントとは思えないほど生寿司と刺身類・生食類の盛り付け技術が高く、1品1品の丁寧さが感じられた。生寿司は上・中・並のグレードの幅がありプライスゾーンの幅を広く設定。刺身類は2~3人前に絞り込み品揃えが充実している。

 精肉はインストア加工で提供する。牛肉では豪州産から愛知県産、静岡県産の和牛まで揃えグレード幅は広い。ほぼ全畜種で上・中・並のグレードを揃え、量目単位も特大・大・中・小と幅広く、行き届いた品揃えとなっている。

 総菜は、通路中央の平台で、インストア加工で丼物と揚げ物を提供。つくった時間をパッケージに明記し、鮮度感を訴求している。総菜子会社「明治屋」のセンターから供給を受けており、天丼やカレー、デザート類などをアウトパックで揃えるが、インストアと変わらないレベルの品質と見受けられた。

価格訴求+品揃え全世代に対応するMD

 和洋日配は留め型商品による低価格訴求が目につく。1ℓ牛乳やパックごはん、トマトケチャップ、レトルトカレーなどだ。留め型だけでなく、「ハウス食品」と共同開発した限定商品の「コクとスパイスのカレー」(140g 8皿分159円)も品揃えしていた。

 プライベートブランド(PB)商品も多く、マヨネーズ、焼き肉のたれといった和洋風調味料や飲料などに多く見られた。ナショナルブランド(NB)商品と比較購買できるようフェースを拡大。横長の目を引くPOPを設置し、価格・価値訴求を強化していた。

 同店の売場を視察して印象に残ったのは、

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