西友の精肉戦略2025 オリジナルブランドで質と値ごろ訴求して差別化
2025年度までの中期経営計画で「業界ナンバーワンの食品スーパー(SM)になる」という目標を掲げる西友(東京都/大久保恒夫社長)は、近年「商品力」の強化を図っている。そのなかで23年に投入したのが生鮮食品を中心に展開する新オリジナルブランド「食の幸」だ。畜産部門では、国内外から厳選した商品を食の幸として打ち出しつつ、価格を訴求したふだん使いの商品提案にも注力。部門全体で高品質と価格の訴求の両輪に取り組むことで、集客力向上を図る。
オリジナルブランド「食の幸」畜産でも販売好調
中計の目標実現に向け、西友は「商品力」と「販売力」を核として利益を生み出し、それを原資として人材、IT・デジタル、店舗に対する投資を実行、さらに商品力、販売力を強化するという事業戦略を推進してきた。
中計の最終段階となった24年度には、「質販店モデル」の確立をめざした。高付加価値のオリジナル商品を手頃な価格で販売し、新規顧客層を獲得、催事や試食で集客してさらに新たな商品を生み出していくというサイクルだ。

そうした方針を実行するうえで必要不可欠となるのが商品力のさらなる向上だ。そのために商品物流本部は4つの柱を据える。「味と品質への徹底したこだわり」「差別化商品の開発」「売場、売り方の進化」「製造小売業のさらなる進化」だ。
このうち「味と品質への徹底したこだわり」において、カギとなるのが食の幸である。食の幸は、生鮮食品のオリジナルブランドとして23年4月に誕生。バイヤーが国内外を問わず直接現地に足を運び、目利きしたこだわりの商品をラインアップする。
食の幸として販売するにあたっては、生産者や産地、品種のほか、製造や肥育方法など独自の選定基準を満たす必要があり、青果・水産・畜産ごとに部門別の基準もある。当初のアイテム数は25程度だったが、24年10月末時点では3部門合計で138まで拡大した。お客からも好評で、売上は対前年度比で倍増したという。
このうち畜産の品目数は30で、食の幸全体に占める畜産の売上高構成比は15%(24年10月末)。25年には畜産の食の幸の売上を対前年比30%増まで引き上げることを目標に掲げる。
畜産の選定基準は、西友が指定した品質管理を行っている産地・工場で生産・製造された原料であること。餌や肥料、育成方法、産地と、その商品の特徴を徹底して確認する。そのうえで大久保社長ら幹部も参加する試食会を月1回程度実施。その過程を経て、承認されたうえでようやく店頭に並ぶことになる。

最初に扱っていたのは国産の豚肉と鶏肉、アメリカ産の豚肉のみだったが、徐々に国産牛やオーストラリア産牛肉、カナダ産豚肉などアイテム数を増やしていった。加えて、それらを素材に使ったハンバーグやミートボールといった加工品も開発。各カテゴリーで食の幸ブランドの商品を拡充している。
「目利きのバイヤーが産地に足を運んで生産者とたくさん話をして、本当においしいと感じ、お客さまにもおいしいと実感していただきたいと思ったものを揃えている」。商品物流本部生鮮食品部の畜産統括ダイレクター、村上貴徳氏は力を込める。
そのなかで売れ行きが好調な商品の1つが、
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