スーパーより進んでいるドラッグストアのアプリ販促 スギ薬局が成功させたやり方とは

解説:Next.Stage.Create.研究所:荒木伸一郎
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食品の販売を強化しているドラッグストア(DgS)。各社は低価格訴求に販促を掛け合わせることで、集客につなげている。今回、本稿で目を向けるのはDgSにおける食品の販促だ。これを読み解くうえで押さえておくべきDgSの現状と近年の食品の販促の傾向、そして直近の事例について、元大手DgS勤務で現在はメーカー向けのコンサルタントとして活躍する荒木伸一郎氏に解説してもらった。

感冒薬や検査キットはいまだDgSの収益に貢献

 DgSの食品の販促について述べる前に、DgSの直近の業績について触れておきたい。

 2022年もDgS業界が新型コロナウイルス感染症の影響を受けた1年と言える。具体的には第7波となる7・8月の感染拡大時は感冒薬やかぜ関連薬・解熱鎮痛剤といった需要が拡大。さらに下半期には上記カテゴリーに加えてコロナ用の抗原検査キット(医療用・一般用)の販売が急速に売上を伸ばした。

 DgSで利益貢献度の高い感冒薬は20年以降需要が落ち込んでいたカテゴリーであった。しかし、22年末頃から在日中国人の購入・買い占めなどによって再び伸長し、23年2月現在も店頭では品薄の状態が続いている。

 ここで伝えたいのは、これらの感冒薬をはじめ解熱鎮痛剤・抗原検査キットなどはDgS商材の中でも粗利益率の高いカテゴリーであり、以前よりコロナ感染拡大が落ち着いた今でも、DgSにとって大きな収益源となっている点だ。これは販促を強化するための“原資”につながる。

 実際、ウエルシアホールディングス(東京都)の23年2月期第3四半期業績を見ると、中核事業会社であるウエルシア薬局(同)の売上高前年同期比は、医薬品部門が106.0%、化粧品部門が101.7%、家庭用雑貨部門が99.9%、食品部門が102.9%と、医薬品部門がとくに好調だ。同部門の粗利率(品目別売上総利益率)は40.3%もあり、売上と利益の双方へ貢献している。

DgSの食品販促のカラクリと難所

 次にDgSの食品の

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