コロナ禍で内食需要が急増、大幅に伸長した「ごま市場」 21年も堅調に推移

山田陽美(ライター)
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ごまの金額PIおよび金額PI対前年推移

新たなニーズが顕在化、プレミアムな金ごまが話題に

 近年は、含有成分であるセサミンの抗酸化作用に注目が集まるなど、ごまは安定した人気を保っている。20年からもコロナ禍で自炊の回数が増えたことから、ごまの需要は拡大しているが、共働き世代のなかには“自炊疲れ”を訴える人もいる。そうしたなかSNSやクチコミで「時短レシピ」や「使える調味料」が注目されるようになり、これまで使ったことのない食品・調味料に挑戦する層が増加傾向にある。加工ごまの市場を見ると、いりごま、すりごまなどの定番調味料に加え、ごまをペースト状にした練りごまの需要も広がっている。

 2月に創立60周年を迎えたごま製品のトップメーカーである真誠では、今秋の新商品として「純おいしいねりごま金」を発売した。真誠の練りごまシリーズ「白(ごま)」と「黒(ごま)」に次ぐ第3弾で、香ばしく煎りあげた金ごまをすりつぶし、なめらかなペーストになるまで丹念に練り、分離しても容器ごと揉みほぐせる便利なパウチタイプの商品だ。ごまを100%使用し添加物は一切加えていない。金ごまは白や黒と比べて脂質が高く、リッチなコクが魅力だ。香りもより高く、そのぶん値段は高価だが、昨今、プレミアムな金ごまを使った菓子類やドレッシング、袋麺など金ごま関連の新商品が続々登場し、従来品との差別化を図っている。それぞれの商品特徴や使い方の違い、調理例やレシピと合わせて訴求することがヒットの鍵となりそうだ。

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