蒼天を衝くか?東京老舗製麺メーカーが商品化した、渋沢栄一の愛した“スーパーフード”とは

2021/04/23 06:58
    上妻英夫(KIプレス)
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    40年以上の歳月で約300万食のロングセラー商品「満さくうどん」シリーズを造り続ける乾麺メーカーの玉川食品株式会社(東京都北区/関根康弘社長)は、「いいものは、いい」の家訓を引き継ぐ製麺業界で注目される企業の一つである。今では都内唯一となった自社乾麺工場を持ち、同社の製造する2商品は、東京都北区の実施する同区の著名人であり、新一万円札の顔にもなる渋沢栄一のPRを目的とした「東京北区渋沢栄一プロジェクト」の助成対象事業にも選定された。本記事では、その模様をレポートする。

    渋沢栄一に関連した新機軸の商品を開発

     玉川食品は創業が昭和10年の老舗。麺好きの間ではファンも数多く、“東京のうどん”“満さくうどん”で知名度の高い乾麺メーカーである。昔ながらの独特な製法を引き継ぎ、人手間をかけた伝統職人技を活かした商品開発を特徴としている。老舗麺屋「江戸玉川屋」として、宮内庁の御用達品や、業務用麺や給食麺(都内6区、175校の学校給食指定工場認定)、一般消費者向け商品を製造する。 製造するのはうどん、そば、冷麦などの和麺だけでなく、パスタ、中華麺なども幅広く手がける。

     2020年始めからのコロナ禍で、休校による給食の中止や、外食需要の減少などにより急激に売り上げが減少したが、捲土重来の精神と反転攻勢の経営姿勢に立ち返った。
     その中での取り組みの一つが、前述の「東京北区渋沢栄一プロジェクト」への参加である。商品開発の面では1年以上前から準備を進め、渋沢栄一の生涯を描いたNHK大河ドラマ「青天を衝け」の放映開始に合わせ、販売に踏み切った。

     渋沢栄一にちなんだ新商品は、 「オートミール&プロテインパスタ」と「オートミール&プロテインうどん」(いずれも1袋100g/本体価格400円)の2商品。「渋沢栄一翁が晩年愛したスーパーフードにプロテインをプラス」したことが特徴の商品だ。パスタのパッケージオモテ面にはデフォルメした40代の渋沢栄一の似顔絵を、うどんのパッケージには60代のものを使用。前述の文言も大きく掲載し、渋沢栄一を深く印象付けるパッケージになっている。いずれの商品にも使用されているオートミールは、ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富な食材で、さらに、そこにタンパク質(プロテイン)を加えた。

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