コロナ禍における「家飲み」の実態と市場拡大のヒント
主婦世帯のおつまみは「食事メニュー」、単身世帯のおつまみは「菓子類・野菜」
図表②は2020年9月~2021年2月期にアルコールと同時飲食をしたつくり方別メニューを、通常差順にランキングしたものだ。通常差からはアルコールとの相性を把握することができ、前年差からはトレンドを把握することができる。主婦世帯は魚介の刺身・たたきやにぎり寿司などの「鮮魚」、キムチ・カクテキやぬか漬け、野菜のマリネなどの「漬物類」、ハムそのまま・しゃぶしゃぶ・焼き鳥などの「肉メニュー」がアルコールと相性がよく、前年と比べ増加している。主婦世帯は、おつまみに「食事メニュー」を選ぶ傾向が読み取れる。
また、ランクインしているアイスクリームの同時出現TI値は、主人:17.1、主婦:29.9となり、主婦が牽引していることもわかっているため、ターゲット訴求が効果的だ。
単身世帯は、より手軽に食べられるポテトチップスやその他ナッツ類などの「菓子・ナッツ」を選ぶ一方で、ミックス野菜サラダやかぼちゃの煮物、鶏肉と野菜の和風煮などの「野菜メニュー」がアルコールと相性がよく、前年と比べ増加している。単身世帯がおつまみに野菜をうまく活用して、栄養バランスを気にしている点は興味深い。
主婦世帯・単身世帯のいずれも、総菜や市販品、残り物を活用している点は共通しており、おつまみ市場において「簡便」、「即食」がキーワードとなる。
家飲みが増加し、おつまみを毎回手づくりする作業は簡単なことではなく、さまざまな選択肢を駆使することは合理的な行動ともいえる。また、簡便傾向が高いおつまみの中にも世帯構成による違いがあるため、より細やかな提案が必要となりそうだ。
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