コロナ禍で10年分のマーケティング効果!冷凍食品マーケットがいま熱い理由

冷凍食品ジャーナリスト 山本純子
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外食業界、業務用、異業種の参入でさらに広がる『買い場』

 今さらながらだが、冷凍食品業界から見ると、スーパー、コンビニは、家庭用冷凍食品の販売店であり、総菜売場やカウンターまわりで使用する業務用冷凍食品の需要先でもある。しかし、この1年、業務用は苦戦している。業界は、業務用の落ち込みを家庭用がカバーして増収増益の企業もあれば、売上減少でも収益は上がった企業、家庭用中心なので二ケタ増の企業、業務用主体で減収減益企業など様々だ。

 好調な家庭用冷凍食品市場には、新規参入がめだってきた。外食店がテイクアウトの延長として自社ブランドの冷凍食品を作り、次の柱事業にと力を注ぐロイヤルのような事例。ピッツェリアの冷凍ピザ販売など、専門店の自家製冷凍品も登場。起業家による、サブスクのスムージー・スープ、パン、幼児食といった、まったく新規の参入も続いており、これらはすべて、ネット販売に特化して顧客獲得に努めている。業務用主体だったメーカーも、今春は家庭用市場に目を向けて商品提案を行っている。家庭用・業務用の境界線は少しぼやけてきているようだ。

 既存メーカーにとってはライバル激増の2021年。売上好調なスーパーマーケットもうかうかとしてはいられない。家庭内の冷凍庫スペース争奪戦が始まっている。

山本純子責任編集、冷凍食品専門情報サイトは「エフエフプレス

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