チーズ市場、コロナ禍で家庭内消費が拡大!調理用途チーズを中心に需要増

山田陽美(ライター)
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明治:伸長が期待できるフレッシュモッツァレラ市場に「明治北海道十勝」ブランドで新参入

今年の上期はナチュラルチーズを中心に好調だった明治。下期に向けては「明治北海道十勝」ブランド初のフレッシュモッツァレラを新投入。間口と奥行きを広げ、市場の活性化を図っていく。

明治「明治北海道十勝生モッツァレラ」「スマチー部」のPOPと「明治北海道十勝ボーノ切り出し生チーズ」2本入り

「スマートチーズ」ファンを広げる「スマチー部」を開設

 コロナ禍における巣ごもり需要で、ナチュラルチーズを中心に好調に推移しており、シュレッドチーズやパルメザンチーズ、カマンベールチーズなどが大きく伸長した。カマンベールチーズに関しては、軽度認知障害の高齢者においてカマンベールチーズの摂取が認知機能との関連報告されているBDNF(脳由来神経栄養因子)を上昇されることを確認。エビデンスを得ることができたことから、昨年11月にセミナーおよびプレスリリースにて発信。さらに6月には新聞広告を投下。9月にも地方紙にも広げて新聞広告を投下した。カマンベールチーズの機能訴求で市場全体の活性化につなげている。

 また「明治北海道十勝 スマートチーズ」ではロイヤルユーザーを広げていくために、アンバサダープログラム「スマチー部」を開設。おいしい食べ方やこだわりのレシピなどを広めてくれる人を応援するプログラム。キャンペーンやイベントなどでコミュニケーションを図っていく。

 この秋は、十勝産ナチュラルチーズをスティック状に切り出した「明治北海道十勝ボーノ切り出し生チーズ」を2本入りにリニューアル。生チーズのおいしさや開封しやすい帽子切りタイプのフィルム包装はそのままに、より手に取りやすい容量と価格に変更した。家飲み需要が高まり、ナチュラルチーズのトライアルが進むなか、本格的な風味や値頃感を訴求することで、「ボーノ」ファンをさらに拡大していくのが目的だ。

簡単でおいしい!「ちぎりモッツァレラ」を提案

 手軽に家庭でチーズを楽しむ人が増えていることで、フレッシュモッツァレラ市場は順調に右肩上がりを続けている。ただ、まだまだ間口・奥行きともに狭く、拡大する余地があることから、明治では9月28日に「明治北海道十勝生モッツァレラ」を北海道・関東(甲信越含む)・関西エリアで発売。北海道産の生乳のおいしさを最大限に引き出す製造方法でミルク感にこだわった。保存液にホエイを入れることでミルク風味がアップ。さらに鮮度を保つために、遮光性に優れたアルミ蒸着フィルムを採用した。

 モッツァレラチーズといえば「カプレーゼ」が定番だが、同社ではもっと日常的に食べてもらうための新しい食べ方「ちぎりモッツァレラ」を提案。手でちぎることによって、不揃いになる繊維にオリーブオイルやドレッシングが絡み、モッツァレラの食感と風味が引き立つ。

 店頭では「生うま!」をキーワードに、生だからこそのおいしさや食べ方をPOPなどで訴求する。また、お笑い芸人のアンガールズを起用したWEB動画を配信。生のおいしさや鮮度を保持するパッケージの特長、食べ方など、商品理解が深まるWEB動画となっている。また、11月にはローカル番組で60秒のインフォマーシャルを予定。WEBメディアを活用したコミュニケーションで認知拡大を図っていく。来春以降順次展開エリアを拡大していく予定だ。

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