内食需要の高まりでシチューが食卓出現率を上げる!ライフスタイルの変化に合ったシチューの魅力とは!?

石山真紀(ライター)
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時短やフライパン調理など簡便性を訴求し需要を拡大

 ルウシチューはハウス食品の「北海道シチュー」シリーズや、発売10年目を迎えたエスビー食品の「濃いシチュー」シリーズといった、誰もが知るロングセラーブランドが市場を支えている。

 このカテゴリーは長年ホワイトシチューとビーフシチューをメーンとし、各ブランドが商品のクオリティを進化させることで売場を盛り上げてきた。

 しかし最近では、パンや野菜につけて楽しめるフォンデュタイプのハウス食品「北海道フォンデュシチュー」、スイス産ラクレットチーズを増量することで、より濃厚でクセになる味わいに仕上げたエスビー食品「濃いシチュー〈ラクレットチーズ〉」のように、チーズの味わいを軸にした新しいタイプのルウシチュー商品も発売されている。

 近年は少子高齢化による世帯人数の減少に加えて、有職女性の増加に伴い、仕込みに手間のかかる煮込み料理を敬遠するユーザーが増えている。

 とくに2~3人の少人数世帯にとっては、ルウシチューをひと箱分使って作ろうとすると、できあがった際の量が多すぎるため、半箱分ずつ2回に分けて使用するユーザーが多い。この状況を踏まえ、メーカーはパッケージ裏面の作り方について、半箱分の分量で記載する商品が増えてきている。

トレンドはシチューによるワンプレートメニュー

 また、新たなトレンドとして注目されるのが、カフェのメニューのようなワンディッシュプレート提案だ。カレーライスのように、シチューを白飯にかけて食べるユーザーに向けた商品の品ぞろえも充実してきている。

 たとえば「ごはんに合うシチュー」をコンセプトとしたハウス食品「シチューオンライス」は、濃厚なうまみとしっかりとしたとろみが特徴のシチューライス専用ソース。エスビー食品の「とろっとワンプレート」シリーズは、煮込み時間10分以内でご飯に合うメニューが作れる時短・煮込みシリーズとなっており、新たな需要を創出するシチューの進化系としてチェックしておきたい。

 秋冬期の煮込み料理の定番であるシチューは、これまで調理時間の長さが最大のネックとされてきた。

 しかし、メーカー各社はフライパン調理による簡便・時短を訴求する商品を次々と開発しており、「シチューは手間のかかるメニュー」という生活者の意識を根本から変えていく必要があるだろう。

 とくにご飯に合うワンディッシュメニューは秋冬以外の季節でも提案しやすく、時期を限定せず、時短メニューのひとつとして通年で展開していくことが望ましい。

 ルウシチューは、野菜や肉類など生鮮品との相性もよく、買上点数の向上につながる商品として、加工食品売場にとってなくてはならないカテゴリーのひとつだ。

 コロナ禍により家族と一緒に家で食事をする機会が増えたことから、シチューの食卓出現率も増加。以前と比べ、より手軽につくれるようになったシチューメニューの価値をあらためて伝えることで、新たなユーザーを獲得し、需要の拡大も見込めるだろう。

 店頭でも時短レシピの紹介や生鮮売場での関連販売など、生活者の気付きとなるプロモーションを仕掛けることで、シチューカテゴリー全体の活性化につなげていきたい。

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