コロナ禍における家飲みマーケットの分析から見えてきた「市場拡大」のヒントとは?

日本食研ホールディングス株式会社 食未来研究室 専任課長 児玉一穂
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家飲みマーケットを牽引する「夫婦飲み」がお酒利用の多様化を促す

図2:家飲みのシーン別増減回数

 さまざまなデータから家飲みが増加していることが示されているが、では誰のどのようなシーンのマーケットが伸びてきているのだろうか?図2ではそれぞれの家飲み機会数について2020年3月~7月と前年同期間との増減数を算出することで、どのような家飲みが増えているのか減っているのかを調べたものである。

 いちばん家飲み機会数が増えているのは既婚者の夫婦飲みとなっている。既婚者のひとり飲みは減少しており、コロナ禍で同僚や友人など他人と飲む機会が減った分、夫婦の時間が見直されひとりで飲むよりは夫婦で楽しもうという生活者が増えたようだ。

図3:1人あたりの購入カテゴリー数

 実はこの夫婦飲みが家飲みにおいてのお酒利用の多様化を促す大きなきっかけになっている。図3の青色の線は2019年3月~8月の期間でスーパーにおいて1人あたりどれぐらいのカテゴリー(発泡酒、ワイン、チューハイなど)のお酒を購入しているのかを見たものである。特定のカテゴリー1種類しか購入しない人が28%、3種類までで65%を占めており意外と保守的な購買行動であることが見てとれる。外飲みの場合は人が飲んでいるお酒がおいしそうに見えて新しいカテゴリーに挑戦することも多いかと思うが、コロナ以前の2019年の家飲みのデータを見ると56%の人がひとり飲みしており、なかなか新しいカテゴリーに挑戦しにくい状況が窺えた。コロナによって夫婦飲みが増加し互いの酒文化の交流が促された結果、図3の赤線のように飲むお酒のカテゴリーも増えたようである。また図4にあるように平休時間帯別の増減回数を見ると夕食前、深夜の時間帯の利用が増加しており、それに伴いノンアルコールのような雰囲気を楽しむようなカテゴリーから自分でつくるRTSまでさまざまなシーンに合わせたお酒が利用されるようになり家飲みマーケットを押し上げていることが窺える。

図4:家飲みの時間帯別増減回数

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