野菜を手軽においしく食べるために。いま、サラダへの注目度が上がっている理由とは!?

文=室作 幸江(ライター)
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シリーズ 深掘りすれば見えてくる!サラダ~野菜不足解消の救世主~

サラダといえば、生野菜を盛り合わせた野菜サラダもあれば、ポテトサラダやマカロニサラダなど総菜売場ではお馴染みの味もある。また、シーザーサラダやコブサラダといった海外から流入したメニューもあり、そのバリエーションは数え切れない。最近では副菜ではなく、主菜として提供する専門店も登場してきている。そこで今回は、多面体の魅力をもち、近年話題の「サラダ」にスポットを当てる。 

コロナ禍で高まる健康志向野菜摂取の支出増

 総務省まとめの家計調査(全国・2人以上の世帯)によれば、2020年上期(1~6月累計)は穀類、肉類、乳卵類、野菜・海藻などの生鮮食品や油脂・調味料といった内食(家庭内調理)を示す支出が2ケタ前後の伸びを示した。最も高いもので肉類が対前年比11.3%増、次いで乳卵類が同10.5%増、油脂・調味料は同9.4%増、野菜・海藻は同8.3%増、穀類同7.2%増という結果だった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う影響であることはいうまでもない。外出自粛により家で調理する人が増えたことがうかがえる。

 一方で、コロナ禍で健康に対する意識がこれまで以上に高まっている。感染症から身を守るために免疫力を上げたいといった理由から、食生活においても栄養バランスに気を配っていることが、先ほどの数値からも推測できる。というのも、野菜・海藻の伸長率が、米やパスタ、麺類などで構成される穀類の伸長率を上回っているからだ。

サラダ
i-stock/Yagi-Studio

 そもそも現代の日本人は野菜の摂取量が不足している。09年に厚生労働省が策定した「21世紀における国民健康づくり運動:健康日本21」では、一日に350g以上の野菜を摂取することを目標としているが、同省が行っている「国民健康・栄養調査」の結果をみると、18年の野菜類平均摂取量では成人男性が約290g、女性が約270gで目標値に達していない。つまり、意識して積極的に食べようとしなければ、十分な量を摂取することはできないのだ。そういうなかで、いわゆる主食の穀類よりも野菜・海藻の伸長率が高かったことの意味は大きい。「健康のために、野菜をちゃんととろう」という意識が働いたものとみえる。

サラダに定義ナシ!その自由度の高さが魅力

 こうしたニーズに応えるものとして、にわかに注目を集めているのがサラダだ。売場を見れば一目瞭然だが、サラダをおいしく味わうためのサラダ関連商品が増えている。ドレッシングはもとより、サラダチキンや豆類、クルトン、シーズニング、キヌアなどバラエティーに富む。背景には、「コブサラダ」や「チョップドサラダ」など海外で人気のサラダメニューが浸透してきたことがあるだろう。また、サラダのテイクアウト店やサラダ専門のレストランも登場し、サラダのバリエーションが広がっている。

 さらに、野菜を洗わずにそのまま食べられる「パッケージサラダ」の普及も大きい。共働き世帯が増加し、料理の時短ニーズが高まる中、手早くサラダがつくれるパッケージサラダは心強い味方だ。

 このように野菜不足を解消する料理としてサラダが支持されるのは、サラダには明確な定義がないからだろう。「これを入れなければならない」「この味でなければならない」といったことは一切なく、「野菜をおいしく食べる」ということのみに集中していればよい。だから、野菜をボイルしても、グリルしても、フライにしてもいい。調味料も思いのまま。その自由度の高さがサラダの魅力ではないだろうか。だからこそサラダにはいろいろなスタイルがあり、これからも進化していく可能性を秘めている。

 当連載では、今後3回に分けて、注目のサラダ市場について分析していく

・キユーピー、料理の付け合わせから食卓の主役へ進化し続ける日本のサラダ 10/22
・サミットが仕掛けて大人気!青果売場のインストアサラダ 10/23
・クリスプ、話題のカスタムサラダ専門店成功の秘訣は“体験価値”にあり 10/24

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