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すべて固定費化できる「商品発見、体験の場」b8ta(ベータ)が新しい販促の1つになる理由

今年8月、東京都内の2カ所で「b8ta(ベータ)」という名の店舗が開業した。大きな特徴は、商品を販売することを目的としていない点。消費者に未知の商品との出会いの場・体験の場を提供し、同時に彼らの行動をデータ分析して出品企業に共有するというのがコンセプトだ。ベータはこれまでの店舗あるいは販促のかたちを大きく変えることになるのか──。

日本で2店舗出店しアジアに初進出

「新宿マルイ本館」に今年8月にオープンした店舗

 RaaS(リテール・アズ・ア・サービス:サービスとしての小売)の先駆的存在である米国のスタートアップ企業ベータ(b8ta)が、アジアで初めて日本への進出を果たした。2020年1月に米国のベンチャーキャピタル(VC)、エボリューション・ベンチャーズ(Evolution Ventures)と合弁でベータ・ジャパンを設立し、同年8月、三菱地所(東京都/吉田淳一社長)が保有する「有楽町電気ビル」(東京都千代田区)に「b8ta Tokyo – Yurakucho」、丸井グループ(東京都/青井浩社長)の「新宿マルイ本館」(同新宿区)に「b8ta Tokyo -Shinjuku Marui」を同時にオープンした。

 ベータの店舗は、販売を主たる目的とする従来の小売店とは異なり、商品の発見や体験の場と位置づけられているのが特徴だ。店内には、国内外のD2C(ダイレクト・トゥ・カスタマー:消費者向け直販サービス)ブランドを中心に、デジタルガジェット、調理器具、日用雑貨、衣料品、化粧品、食品など、幅広いカテゴリーにわたって実際の商品を展示。来店客は、商品を手にとって試したり、商品のそばに設置された専用のタブレット端末で商品情報やデモ動画を閲覧したりでき、気に入った商品をその場で購入することも可能だ。

 一方、店舗側では、タブレット端末や天井に設置されたカメラで来店客の行動を追跡。商品の前に立ち止まった人数や商品との接触時間など、来店客がどの商品に関心を示し、どの商品に触れたかが、データで把握できる仕組みとなっている。

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