イオン(千葉県/吉田昭夫社長)は9月14日、住居関連品プライベートブランド(PB)「ホームコーディ」の2020年秋冬新商品のオンライン発表会を実施した。今回発売する新商品は約600アイテムで、9月15日から全国の「イオン」「イオンスタイル」約500店舗で販売している。機能性を高めた寝具などのほか、在宅勤務の普及に合わせた電源プラグ付きのこたつなども展開する。
自宅で過ごす時間をより快適にする商品を開発
ホームコーディは「長く使えて、シンプルで、上質な商品で、暮らしをコーディネートする」をコンセプトに顧客へライフスタイルの提案をする、イオンのホームファッションブランドだ。安心して使用できる品質やシンプルなデザイン、利便性の高さに注力した商品をリーズナブルな価格で提供している。
新型コロナウイルスの感染拡大によって消費者の生活様式が変化しつつあるなか、2020年秋冬の商品開発では、「穏やかな秋、暖かな冬」をコンセプトに、「くつろぐ」「ねむる」「ととのえる」「たべる」の4つのシーンで、コロナ禍で過ごす時間が長くなった自宅で無理をせずリラックスできるような商品を増やしている。
在宅勤務に便利なこたつを発売
たとえば、「高脚こたつ」(1人用、2万5800円:以下、税抜)は、在宅勤務が普及するなか「椅子に座ったまま温まる」をコンセプトに開発した商品だ。側面には電源プラグやUSBコネクタが搭載されており、スマートフォンやパソコンの電源として使用できる。また、在宅勤務向けの商品としては、リビングにも設置できるコンパクトなデスクや、積み重ねができる整理ボックスなどを展開する。
寝具では、「なめらかフィット掛ふとん」(シングルサイズ:9800円)を導入。断熱性の高い新素材「ナノフィルタ」を使用した6層構造となっており、ホームコーディの合成繊維をしようした掛ふとんの中ではトップクラスの温かさを誇る。また、1層ずつ丁寧に引き延ばした綿を使用しているため、やわらかな肌ざわりを実現しているほか、厚さを抑えコンパクトに収納できるといった特徴もある。
また、「吸湿発熱機能」を備えた「ホームコーディヒート」シリーズでは、「保湿機能」が追加されたアイテムを展開。「保湿フランネル無地 置くだけ簡単敷きパッド(ゴムなし)」(1780円)など、合計22アイテムに保湿機能が追加される。
そのほか、調理用品では「多機能2色鍋」(1~2人用:1980円)を発売。外出自粛により家庭で料理する機会が増えている昨今のトレンドを受け、寒い季節の鍋料理をより楽しめるように、1つの鍋で2種類の料理をつくることができる。
カタログをウェブへと移行
今回のオンライン会見では、今後の販促戦略についても発表された。今秋から、写真投稿型SNS「インスタグラム」から9人のインスタグラマーを「アンバサダー」として起用。消費者目線で実際に商品を使用してもらい、商品開発に生かしていく。新商品発売前のモニター・アンケートのほか、ホームコーディ公式インスタグラム用の写真撮影や告知のシェアなどで協力を仰ぐ考えだ。
また、デジタル戦略としては、2020年秋冬からは店頭で配布していた商品のカタログをウェブへと移行する。コロナ禍で外出の頻度が減少するなか、30~40代のスマホユーザーを中心に接点を保つのがねらいだ。ウェブカタログ内の商品はECサイトへと直接つながるようになっており、商品の購入へとつなげていく。
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ホームコーディは現在、「イオン」「イオンスタイル」などの総合スーパーを中心に展開しているほか、海外では中国や香港、アセアン諸国などでも取り扱っている。今後はスケールメリットの観点から海外展開を強化するほか、国内でもあまり導入が進んでいないグループ傘下の食品スーパーやドラッグストアでの展開を進めていきたい考えだ。一方で、ホームファッションの世界で圧倒的な知名度と集客力を有するニトリとの差別化が、依然として今後の明確な課題となるだろう。