「地場強化」で各地のニーズに応える コロナ禍で消費者の購買行動が変化
商談の様子も様変わり
─下期、注目している新商品はありますか。
武岡 まず日清食品のインスタント麺「日清これ絶対うまいやつ!」。縮小カテゴリーだった袋麺ですがコロナ禍の影響で大きく伸びました。世帯人数が減少するなか、従来の5食ではなく、3食とした点もおもしろい。味は「背脂醤油」「濃厚味噌」「豚骨醤油」の3種類があり、若者層をねらった濃い目の味もよいと感じました。
調味料では、ミツカンの「だしまろぽん」。醤油を控えめにして、かつお・昆布・ほたてのだしを使ったまろやかなポン酢。あらゆる年代にも好まれる味で、だし入りポン酢というカテゴリーを確立できるのではと見ています。
─ほかにもありますか。
武岡 キリンビールの「麹レモンサワー」もユニークで、レモンサワーブームが続くなかでの新商品とあり関心を持ちました。麹をレモンと混ぜ合わすことで果実の旨みが引き立っていると感じました。
菓子ではグリコの「スモーキープリッツ燻製ベーコン味」と「スモーキープリッツ燻製チーズ味」。家で飲むシーンが増えるなか、燻製という新しい風味が斬新だと思います。─さてコロナ禍にあっては商談のスタイルも様変わりしているのでしょうか。武岡 4月からはすべてオンラインを通じて行っています。実は、当社では昨年あたりから社内でリモートによる会議や情報交換を取り入れており、今回も大きな問題もなく比較的スムーズに移行することができました。画面を見て、同じ資料を共有することもでき、直接、会って話をするよりわかりやすくなっています。
また棚割りを決めるのも、10社程度の担当者が同時に話し合うことも可能で、今後はこの手法が定着しそうです。
─今年は流通業にとって、大きな変わり目の年といえそうです。
武岡 さらに今後は競争も激化すると見られます。そのなか当社では、今後も地域、お客さまの要望に応えられる品揃え、売場づくりを通じ、支持いただけるよう努力を続ける考えです。